バランス力には「足」を鍛えるべし!理学療法士が教える、タオルギャザー&ショートフットエクサ
ヨガではポーズをそのままキープすることが多いです。そんな時「足の外側に力が逃げる」「足の指が浮いて踏ん張れない」と感じた人はいませんか?今回理学療法士の堀川ゆきさんが、タオルギャザーエクササイズとショートフットエクササイズを紹介します。果たしてどんなエクササイズなのでしょうか? ◆写真で詳しいやり方を見る|理学療法士が教える、タオルギャザー&ショートフットエクサ ■「足」とは? 本題に入る前に、まず「足」と「脚」の違いを知っていますか?「脚」とは股関節からつま先までの、太ももやふくらはぎ全体を指します。一方で「足」とは「足部」のことで、足首からつま先までの部分を表します。ちなみに足の指は「趾」(ゆび)という字を使い、手の指と区別して用います。 さて「足」の骨は全部でいくつでしょう? 趾骨(基節骨・中節骨・末節骨)が14本、中足骨が5本、足根骨が7個、片足だけで26個、両足合わせて52個もの骨で構成されています。私達の身体全体に約206個の骨があるので、つまり人体の骨の4分の1を足だけで占めているのです。それだけ複雑かつ繊細な動きと重要な役割が「足」にはあると考えられます。 ■ヨガでの「足」の悩み ヨガでは様々なポーズをとってそのままキープすることが多いですが、今回は「足」に関するお悩み2つの解決法を紹介します。 ■■お悩みその①:「足の外側に力が逃げてバランスポーズがぐらつく」 原因は母趾と母趾球に荷重できていないからです。長母趾屈筋をはじめとした、足の指の力を鍛えましょう。長母趾屈筋は内側縦アーチの維持と、親指をしっかりと床に押し付ける筋肉です。指、特に親指で踏ん張れるようになるとポーズは安定します。 オススメエクササイズ:タオルギャザーエクササイズ タオルギャザーは足の内在筋ではなく、外在筋優位で働くエクササイズです。今回のお悩みの場合は、長母趾屈筋を鍛えたいので親指メインでタオルギャザーを行います。フェイスタオルを床に敷き、両足の指でタオルを手繰り寄せます。自分で上から見た時に、10本の指の爪が見えないくらい握ります。上手く手繰り寄せられなくても1分間続けてください。立って行うほうが効果的ですが、難しければ座って行いましょう。 ■■お悩みその②:「ポーズの時に指で踏ん張れずに、指が床から浮いてしまう」 原因は足の内在筋の筋力低下です。内在筋は足の安定化に働く筋肉です。内在筋をしっかり鍛えると、足の指で踏ん張ることができ土台が整うようになります。 オススメエクササイズ:ショートフットエクササイズ ショートフットエクササイズは、内在筋を選択的に鍛えられるエクササイズとして近年注目されています。タオルギャザーのように足趾を屈曲させずに「足を短く」するように動かします。タオルは使わず直接床の上で、両方の足の指を縮めるよう引っ込めてください。指をできるだけ曲げずに、母趾球もできるだけ浮かせずにです。自分で上から見た時に、10本の指の爪が常に見えているはずです。上手く縮められなくても1分間続けてください。立って行うほうが効果的ですが、難しければ座って行いましょう。タオルギャザーのような足趾屈曲運動よりも、内在筋の強化には効果的であるとされています。 ※内在筋とは? 足の領域だけ、つまり足首から先にある小さな筋肉のこと。 ※外在筋とは? ふくらはぎやスネから存在して、足の領域までつながる広い範囲にある筋肉のこと。 ■まとめ タオルギャザーエクササイズとショートフットエクササイズ、どちらも足首の捻挫や扁平足などに有効なエクササイズとして、リハビリでもよく行います。一見エクササイズに違いはないようですが、方法も目的も大きく違います。特にショートフットエクササイズは慣れが必要ですが、毎日少しずつ練習してみてくださいね。 参考論文:野嶋治 他「ショートフットエクササイズによる運動介入が動的内側縦アーチ高に及ぼす影響」愛知県理学療法学会誌 第29巻第2号,2017 ライター/堀川ゆき(理学療法士、ヨガ&ピラティス講師)
堀川ゆき