「車中泊女子」黒木美珠のVehicle&Life 【Vol.1】 なにはともあれ「道具選び」からスタート!
脱OLを機に車中泊で日本1周!
「宿泊先の予約も不要、いつでもどこでも自由に過ごせる」。 そんな車中泊旅の魅力に惹かれる人は多いかもしれません。私は95日間にわたる日本一周の旅を、すべて車中泊で完走しました。この経験を通じて学んだ、車中泊ならではの楽しみや、快適に過ごすための必須アイテムやルールなどなど、これからWEB CARTOPとCARトップ本誌の連載を通して紹介していきます! 【画像】クルマ系YouTuber兼自動車ライターの黒木美珠さんのそのほかの画像を見る(16枚)
●全日“車中泊”にこだわった理由とは? 日本1周の裏側
クルマ系YouTuber兼自動車ライターとして活動中の黒木美珠です。 数年前に95日間の車中泊をしながら日本1周を達成し、現在も年間約5万kmを走行、昨年は大雪のなか、北海道最北端の稚内から東京まで1700キロ、ひとりで自走するほどの運転好きを自負してます。 この約3カ月にもわたる車中泊の経験が誰かの参考になればと考えていたところ、このたびご縁をいただき”車中泊連載”をスタートする運びとなりました。 今回は初回として、なぜ私が車中泊で日本1周を決断したのかその経緯と、車中泊に最低限必要なものについてご紹介します。 私は、学生の頃から「日本1周をしてこれまで見たことのない日本を見てみたい」という情熱が、心にありました。しかし大学生のころは時間こそあったものの、クルマを所有しておらず、公共交通機関と宿泊施設を利用する旅では、私が理想とするコースをたどるのが難しく、また、予算の制約もあり断念したのです。 その後、社会人になってからも日本1周の夢を諦めることができず、退職を機に、日本1周の旅に出ました。クルマでしか行けない秘境のような場所も巡りたかったため、この旅の相棒として当時乗っていたホンダ・ヴェゼルを選びました。 “ヴェゼルで車中泊”と聞くと、少し窮屈に感じるかもしれません。しかし、コンパクトSUVでありながら、後部座席を倒すことでフルフラットな空間ができ、前席を最大限に前方へ移動させれば、身長1750mmの私でも十分に縦になって寝ることができるサイズ感だったのです! なので、旅をした95日間、そのすべてを車中泊で過ごしました。 車中泊の魅力はいくつもありますが、とくに印象的だったのはふたつです。 ひとつ目は、宿泊費の節約です。宿代を抑えたぶん、ご当地の美味しい食事を楽しんだり、旅全体の出費を大幅に削減することができました。もし日本1周旅のような大きな旅をされるときは、多くの人が収入はいったんなくなった状態(貯金)になる方も多いと思います。旅行で予算を多く取られる宿代が浮くのは大きなメリットではないでしょうか。 ふたつ目は、クルマへの愛着と感謝が深まることです。普段何気なく乗っているクルマですが、日本1周となると、日中は移動手段として、夜は風雨をしのぐ場所として役立ち、また、テントとは異なり、施錠ができる安心感のもとで快適に眠ることができます。この旅ができたのはクルマのおかげだと強く実感し、クルマが単なる移動手段以上の、より大切な存在になりました。