「宝塚の舞台を降りるといつものちなつ」月組、鳳月杏さん 遅咲きのトップ就任!身長も靴の大きさも同じ、脚の長さだけは違う!
◆どこを切り取ってもさまになる男役 2006年入団の92期生。 ほやーっとした子だな、というのが最初の印象でした。 私が退団した翌年2014年花組に組替え。 同じく月組から花組に組替えした明日海(明日海りおさん)と一緒に、退団後初めての私のディナーショーにこっそり観に来てくれたことがありました。 2019年再び月組に組替え。 組替えは彼女を大きく変化させました。 久しぶりに観た舞台での彼女は、スーツを着こなし、立っているだけで色気がにじみでる素敵な男役になっていました。 お芝居でもショーでも、どこを切り取ってもかっこよく、さまになる立ち居振る舞いは、ゆるぎない男役の黄金律を極めていました。 ほやーっとした子はもうどこにもいません。
◆遅咲きのトップスター そんな成長を嬉しく思いながら、食事に行ったことがありました。 舞台を降りると、そこには変わらずほやーっとゆるいちなつ(鳳月杏さんの愛称)がいました。 変わってなくてよかった。 私にとってはいつまでもかわいい下級生のままです。 遅咲きのトップスターは、地道に「男役」としての芸を磨き、包容力と安定感を身につけました。 おおらかさと優しさとその温かい人柄で、たくさんの人に愛されているちなつ。 たくさんの人があなたのトップ就任を喜び、あなたの舞台を待っています。 超絶美しい脚線美と大人の色気で観客を魅了し、新たな時代の新たな風を吹かせてください。 トップ就任おめでとう! お披露目公演には馳せ参じます。
越乃リュウ