「全くチャンスがなかった」快勝でベルト防衛の井上尚弥に米メディアも脱帽 ドヘニーとの力量差を強調「予想通りになった」
9月3日、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチが東京・有明アリーナで行われ、統一王者の井上尚弥(大橋)が挑戦者のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)に7回TKOによる勝利を収め、王座防衛を果たした。5月に行われた東京ドームでのルイス・ネリ(メキシコ)戦以来4か月ぶりとなったこの試合でも「モンスター」が強さをみせ、相手を圧倒した。 【画像】強すぎる!井上尚弥が曲者ドヘニーを粉砕!モンスターが見せた7回TKO劇を厳選写真でお届け 試合序盤から井上が主導権を握り、ドヘニーを攻め立てながらラウンドが進んだ。時折、ドヘニーもパンチを繰り出すも、井上に大きなダメージを与えることができず、逆にドヘニー自身の動きが少しずつ落ちていった。そして、6ラウンド終盤で連打を浴びせた井上が、翌7ラウンド開始直後からもラッシュを仕掛ける。ここでドヘニーがロープにもたれながら動きを止め、レフェリーにアピール。腰を痛めたとしてドヘニーは試合続行不可能となり、井上のTKO勝利が決まった。 試合前までは、計量時より11kgを増やしたというドヘニーの体重が、動きにどのような影響を及ぼすかなども焦点となっていたものの、最後は予想外の幕切れに。しかし、試合内容や結果は戦前までの予想通りだったと、海外メディアが総括している。 米ボクシングメディア『BOXING SCENE』がこの試合をレポートしており、「一方的な展開になるものと予想されていたこの試合、まさにその通りになった。31歳のイノウエは、絶頂期のスーパースターと最盛期を過ぎた“ゲートキーパー”が対戦するとどうなるかをスポーツ界に改めて示すこととなった」と評している。 井上の戦いぶりを称えるとともに、同メディアは「アイルランド出身のドヘニーを責めてはいけない。負傷で足を引きずりながらも、彼はこの試合にすべてを捧げたのだ」とも綴っており、その上で、「イノウエを攻め立てた場面もあったが、実際には全くチャンスがなかった」と振り返った。 さらに、「イノウエは狩猟者のような驚異的な能力を備えている。攻撃するにせよ、動き回るにせよ、イノウエすべての動きは勝利に向けて完璧に連携しており、そのスピードとパワーはいまだ衰えをみせない」とチャンピオンの印象を綴っており、「ドヘニーが実際に勝つ可能性は、初めからゼロに等しかった」として、両者の力量の差を強調している。 これで井上は28戦全勝、自らの持つ日本人世界戦連勝記録を23とした。それらの数字がまだ伸びてゆくものと強く感じさせる、この日の試合内容だった。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]