縁起物、夜空を舞う 喜界町で奇祭ソーミンガブー
鹿児島県喜界町の中里集落(得田喜代治区長、300世帯720人)で2日夜、そうめんを奪い合う奇祭「ソーミンガブー」が4年ぶりにあった。ご利益にあずかろうと老若男女が入り乱れ、会場は熱気に包まれた。 ソーミンガブーは、中里の島遊びの最後を飾る伝統行事。その日のうちにそうめんを食べると無病息災が約束されると伝えられている。中里の島遊びは、ウヤンコー(高祖祭)から3日目に行われ、昼間は八月踊りや相撲で豊作や無病息災を祈願する。 午後7時、「ガブー」の掛け声とともに、旧中里公民館前に組まれたやぐらの上からそうめんが投げられた。参加者は六調に合わせて手踊りや掛け声でアピール。宙を舞うそうめん目がけて人が群がり、激しく奪い合う場面も。およそ15分でそうめん600袋が投げ尽くされた。 初めて参加したという喜界小4年の男児(10)は「五つ取れた。もっと取れると思ったが、来年頑張ります」と、そうめんを奪われないよう隠しながら興奮気味に話した。 青壮年グループ中里まりろう会の福島悟会長(45)は「4年ぶりで盛況に終わってホッとしている。会場内の変更があり、試行錯誤した部分はあったが、来年も皆さんに楽しんでもらえるようにしたい」と話した。