左から三浦綺羅、丸山隆平、真木よう子、寺尾聰

　SUPER EIGHTの丸山隆平が『泥棒役者』（2017）以来8年ぶりに主演を務める映画『金子差入店』が、2025年に全国公開されることが決定した。刑務所や拘置所への差し入れを代行する「差入屋」を営む家族の絆を描いたヒューマンサスペンスで、共演には真木よう子、三浦綺羅、寺尾聰が名を連ねる。 【画像】ドラァグクイーン役で激変した丸山隆平 　主人公・金子真司（丸山）は、刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を一家で営んでいた。 ある日、息子の幼馴染の女の子が殺害される凄惨な事件が発生。彼女の死にショックを受ける一家だったが、犯人の母親が差し入れをしたいと尋ねてくる。 差入屋として犯人と向き合いながらも、金子は日に日に疑問と怒りが募る。 そんな時、毎日のように拘置所を訪れる女子高生と出会う。 彼女はなぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。

　丸山は近年、ブロードウェイミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」や「ハザカイキ」で主演を果たすなど、演技力が高く評価されている。本作では、人に言えない過去を抱え、息子のために生き直そうとする男を、これまでのイメージとは一線を画す迫真の演技で情感豊かに体現している。

　 金子の妻・美和子役には、『アンダーカレント』での名演も記憶に新しい真木よう子が抜てき。二人の息子である和真役は、NHK大河ドラマ「光る君へ」に藤原道長の長男役で出演した三浦綺羅、3人と一緒に暮らす金子の叔父・星田役は名優の寺尾聰が務める。

　監督は、本作が長編デビュー作となる古川豪。自ら脚本も手掛けており、構想から11年の歳月をかけて作品を完成させた。主演の丸山、古川監督のコメントは以下の通り。（編集部・倉本拓弥）

丸山隆平（主演）

僕が演じた金子は、真っ直ぐな男です。それゆえに、自分で制御できない危うさも抱えています。家族に対する愛情はとてつもなく大きくて、差入屋という自分の職業と家族の間で揺れながら生きている人間です。古川監督とはクランクイン前に何度もお会いして、生い立ちなど個人的な話もたくさんさせていただき、互いの人間性を深く知った上での撮影となりました。監督の中に眠るマグマのような熱量を受け止めて、嘘なく演じることができたのではないかと思います。登場するすべての人たちとの人間関係を、どんどん掘り下げていく物語なので、自分自身がこれまで歩んできた人生を見つめ直すという貴重な作品にもなりました。ひと言で言えばいくつもの家族の物語なのですが、ひと言では簡単に言えない愛おしさや怒り、苦しさや喜びなどの想いが詰まっています。その中から宝探しをするような気持ちで観に来ていただければ、きっと何か大切なものを見つけてもらえるのではないかと思っています。