「事件性があると思われたら嫌で捨てました」布団もカーテンもない気象予報士・小林正寿の謎めいた私生活「傘もない」に驚きの声も
もう5年くらい床で寝ていますけど、風邪もひかないし快適ですよ。学生の頃はロングスリーパーでしょっちゅう寝坊していましたが、床に寝るようになってからは目覚めがよくなりました。 ── 食器や洋服はさすがに持っていらっしゃいますよね? 小林さん:食器はないですけど、炊飯器とフライパンがあるので自炊もしています。よく作るのは回鍋肉です。包丁がないから、キャベツは手でちぎって、ネギは犬歯で噛みきります。フライパンで炒めるときは、残ったネギで混ぜればそのまま食べられて、食材をムダにしないからSDGsにつながるというか。でき上がったら炊飯器で炊いたご飯の上にのせて、しゃもじで直接食べています。
コップはプロテインシェイカーで代用しています。粉末スープなども簡単に作れて便利なんですよ。そういえば、隣の家の鍵が壊れて、住人の方が外で待たされていたので、温かいスープを差し入れたことがあります。カップルだったのにシェイカーがひとつしかないから、ひとりずつしか作れませんでしたけど(笑)。 「傘を持っていない」というと驚かれるんですが、職業柄、天気図を詳しく読めば雨に降られることはほとんどありません。必要ないから持っていないだけで、何もかも捨てようと思っているわけではないんです。仕事で必要な衣装や靴はそれなりにあります。僕は毎日番組の放送後に「反省ノート」をつけていて、分析した天気図や、予想が外れたポイントなどを書いているのですが、その100冊以上ある反省ノートもすべてとってありますし。
■人と比べず、自分に正直に生きていたらいまの自分に ──「自分軸」で生きていらっしゃることがよくわかります。 小林さん:そうですね。「人と比べない、無理をしない、自分に正直に」ということを心がけて生きていたら、こうなりました。偏西風が吹くことで、寒気が来たり暖気が来たりして、天気は変わります。人生も同じだな、と思います。プロフェッショナルになるには、捨てないといけないものもありますよね。物だけでなくて、たとえば今はプライベートで頻繁に飲みに行くことはできないですけど、つらくはないんです。