悪徳かぎ開け業者の「トラブル」急増 「格安」で10万円超の高額請求に泣き寝入りしない「鉄の掟」とは
■高額請求の開錠は「訪問販売」 悪質な業者に金を支払ってしまった場合も、「クーリングオフ」制度が利用できる可能性が高いという。 クーリングオフとは、訪問販売などの場合、契約取引から基本的に8日以内であれば無条件で解約できる制度で、支払った代金は返金される。 通常、消費者が修理業者などに作業を依頼した場合、クーリングオフの対象外になる。しかし、高額請求の開錠は「訪問販売にあたる」という。 依頼した人の多くは、サイトの金額を見て、高くても1万円前後の費用を想定するだろう。だが、依頼主宅を訪ねた作業員は10万円前後を請求する。これは当初、想定していた取引とはまったく異なるものとみなされる。 「業者が訪問して、想定を大幅に上回る高額な契約を勧誘した場合には、通常の訪問販売として扱われるのです」 業者に連絡した際にキャンセル料について説明がなく、作業員が来た時点でキャンセル料が発生すると伝えられ、支払いをした場合の費用もクーリングオフの対象になる可能性がある。 ただ、開錠が一般的なシリンダー錠ではなく、電子キーといった対応が難しいケースなどの正当な理由があれば、クーリングオフの対象外となる。 「消費者が判断するのは難しいので、請求に疑問があれば早めに身近な消費生活センターに相談してほしい」 ■トラブルが増えるシーズン 業者がかぎを壊して開錠したために、かぎ全体を付け替えることになった場合は、大家や住宅の管理・販売会社を通じてかぎ業者に依頼すれば、適正な金額で交換してもらえる。 「かぎのトラブル相談は、お酒を飲んで、かぎをなくしてしまった人が結構多いんです。焦ってネットで見つけた業者に頼んで、大金を請求されてしまう。翌日、冷静になって、消費生活センターに相談すれば、クーリングオフの手続き方法を案内してもらえます」 飲酒の機会が多いシーズン、かぎをなくしたうえに、10万円もの費用を支払うことになったら最悪だ。まずは落ち着いて、夜を過ごせる場所を探すことが肝心だ。 (AERA dot.編集部・米倉昭仁)
米倉昭仁