中国軍事演習、開戦ではなく威嚇が目的 台湾当局が分析
[台北 29日 ロイター] - 台湾の安全保障トップ、蔡明彦・国家安全局長は29日、中国軍が23─24日に台湾周辺で実施した軍事演習について、戦争を始める狙いはなく、威嚇目的だったと分析した。 さらに、中国政府が「台湾海峡の状況を完全にコントロールしている」ことを内外に示す狙いがあったと、立法院(国会)で記者団に語った。 国家安全局の立法院への報告によると、中国は軍事演習のための飛行禁止区域や航行禁止区域を設けておらず、演習自体も2日間で終了したため、規模を限定的にとどめる意図もあったとみられる。 「事態の激化や国際的な介入の回避」を望んだようだが、将来的に中国が台湾への「複合的な威圧」を続け、台湾海峡の現状を徐々に変える恐れがあるとした。 また、中国軍が23日の早い時間に演習を発表してすぐに部隊が動員されたとし、「素早く動員する能力を示した」と指摘した。 中国で台湾政策を担う国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、頼清徳総統が台湾独立を支持する危険人物だと指摘し、「台湾独立への挑発が続く中、人民解放軍は国家主権と領土を守るための行動を続けている」と述べた。