商談中の沈黙は気まずい?沈黙を味方にする考え方
「セールススタッフには製品やサービスを淀みなく説明できるトーク力が欠かせない。」 そう考える方は多いのではないでしょうか? そして、そう考えてしまうと、商談中の沈黙が気まずくなってしまい、どんどん畳み掛けるように話してしまうことに…。 商談中の沈黙は全く気にすることは有りません。その理由を1300社以上の営業支援実績がある株式会社エッジコネクション代表の大村さんが解説します。
【話し上手】より【聞き上手】
まず、営業に対しての認識でよく聞く間違いがこちらです。セールススタッフは【話し上手】でなければならないと考える方が多いのですが、【聞き上手】であることのほうが重要です。 話し上手ということは、情報を与えることが上手ということです。ですが、今の御時世、ほぼすべての人がスマートフォンを持っています。情報はいくらでも自分で取りにいける時代です。 そのような時代において重要なのは、「なにが必要なのか気付かせてあげる」ことです。必要な情報は自分で調べ、必要であればそのまま購入までいけてしまうのが現代社会です。そんな時代において、“セールススタッフ”というスマートフォンではない“人間”がやらないといけない仕事は、「あなたはどんなことで困ってるのでしょうか?」というのをうまく聞き出し、「あ、私はこれで困ってるんだ。」と自覚させることなのです。 その後には、「その点で困ってるなら当社製品はいかがでしょう?」という説明に入りますが、説明が苦手であれば、わかりやすい資料を作ってそれを読んでもらうこともできますし、説明動画を流してそれを見てもらう事もできます。とにもかくにも、「買わなきゃ!」という気持ちにさせるのがセールススタッフの最大ミッションであり、そのためにはこちらから話をし続けるより、相手の話を聞き、相手が話しながら「なるほど、実は自分はこんなことを考えていたのか」と自分自身で気付かせることのほうが重要なのです。 ◆【エースセールススタッフ】の本当のイメージ セールススタッフは話し上手ではならないと考える人は、俗に言う【セールススタッフ】のイメージとズレていることが多いです。 「いつもエネルギッシュで見るからにイケイケで、少し興味がある素振りを見せるとマシンガンのようにセールストークが飛んでくる」 エースセールススタッフに対してこのようなイメージを持っていないでしょうか?もしかしたら、世界のどこかにはこういうエースもいるのかもしれませんが、このイメージは一般的ではありません。こんなセールススタッフが聞き上手な可能性は低く、聞き上手ではないということは、お客様の心の奥底に眠る本当に欲しいモノを見つけ出す手助けはできません。人々の手の中にスマートフォンがなかった時代は、このような話し上手のセールススタッフがエースになっていたのかもしれませんが、今はそうではないのです。 繰り返しますが、セールススタッフとして活躍するには【聞き上手】であることが重要です。そして、聞き上手を極めた人がエース社員になるわけですから、このようなイメージの人が多いです。 「一見物静かだがその分癖がなく、清潔感のある見た目であり、こちらの聞いたことに的確に答えてくれる以上は過度に押してくることはなく、とはいえ、約束はしっかり守ってくれる人」 これが、現在におけるエースといわれるセールススタッフの特徴です。