5泊8日南米出張…石破外交で3つの「意外」とは
■意外(3)…中国・習近平主席が放った「意外」な一手
3つ目の「意外」は、中国の習近平主席が放った一手だ。日中首脳会談に同席した複数の政府関係者によると、習主席の側から孟子のある言葉が紹介されたという。「自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人と雖も、吾往かん」 この言葉は「自分の心を振り返り、正しければ、例え相手が千万人いても進んでいく」という意味。実は、首相の政治の師である田中角栄元首相が口にしていた言葉だという。 これを聞いた、ある政府高官は「当時、田中元首相は世論の反発がある中で、日中国交正常化を成し遂げた。石破首相にも、今は日本の世論は中国に厳しい面もあるが、『首相のリーダーシップでの関係改善を期待している』というメッセージだろう」と解説した。また、この会談の同席者の1人は「意外にも習主席と石破首相は相性があっていたようだ」と感想を漏らした。 5泊8日の「強行日程」での南米出張を終え、首相はブラジルを出発した。往復合計で48時間“丸2日間”の長距離移動となる。政権発足から衆議院総選挙に、首相指名など、忙しい日々が続き、首相は出発前、周辺に「移動時間が長い分、機内でゆっくり休みたい」と漏らしていたという。しかし、同行筋によれば、行きの政府専用機では「意外」にも寝ずに、持ち込んだ本を読むことに時間を費やしていたそうだ。帰りの機内では果たして…