いま“遊ぶべき”おもちゃ『#バズゅCam』 リアルすぎるSNSの世界を安全に体験?
最近、トイカメラの進化が凄まじい。子ども向けでありながら、カメラとしてのレベルも高く、おもちゃの枠を超えた存在になりつつある。今回は、株式会社セガトイズから販売されている『#バズゅCam』を紹介していこう。『#バズゅCam』はトイカメラであるのだが、動画クリエイターのような動画を撮影・編集をできるのが特徴だ。 【写真】「謝罪動画」「報告動画」や「THE BUZZ TAKE」など、リアルなテンプレート 「そこまで再現できるの?」 名前の通り、撮影側は“バズ”を擬似的に体験することができ、実際に動画クリエイターになりきって遊ぶことができる。ただ、撮影した写真や動画を直接インターネットにアップロードができるものではないので、そのあたりの安全性もしっかりと保証されている。さっそくどのように遊べるのか、筆者が試してみた。 ・画角も自由自在 まるでインフルエンサー御用達のアクションカメラ! さっそく開封していこう。カラーは「むてきパープル」と「ときめきミント」の2色展開となっている。付属品で三脚がついているのだが、畳むと自撮り棒としても使うことができる。 撮影した写真や動画はカメラ本体にも保存できるのだが、マイクロSDカード(別売)を使って容量を増やすこともできる。本体の容量は写真(撮影・編集含め)150枚、動画(撮影・編集含め)約50秒になるので、それ以上のデータを保存する場合は、マイクロSDカードを使用しよう。とくに動画を撮影すると本体の容量はすぐいっぱいになってしまうため、マイクロSDカードを使う方がおすすめだ。 ※カメラは単4アルカリ乾電池が4本必要(別売)必要で、連続約2.5時間使用可能 画面はタッチ式になっており、付属のタッチペンで操作する。 アウトカメラ・インカメラは、レンズを動かすだけで簡単に切り替えることができる。画角を調整しながら自撮りができる仕様になっているのはありがたい。写真の画素数は200万画素となっている。携帯の画素数は1200万画素が主流となっているため、携帯に比べると画質はやや劣るが、おもちゃとしては十分なのではないだろうか。 『#バズゅCam』には、写真撮影、動画撮影、テンプレート撮影の3つのモードがある。本品にはグリーンバックシートも同封されており、背景を合成して撮影することもできるのだ。 設定画面では合成技術であるクロマキーが、全6段階調整することができる(オートを含めると7段階)。ただ合成するだけではなく、綺麗に写すために設定からこだわれるのは、大人顔負けの本格さだ。 背景を合成することによって、室内にいながら動物と「〇〇に遭遇してみた」という動画や、南国の「〇〇に行ってみた」という動画も撮影することができる。場所を問わずいろんなシチュエーションを体験することができるので、動画の幅も広がるだろう。 写真撮影では、メイクエフェクトやカラーフィルター、フレームの加工もすることができる。動画撮影では、そういった機能にくわえてBGMの設定も可能だ。 なかには目や口が大きくなる「おもしろ変形」というエフェクトもあり、まさにインスタグラムのようなエフェクトを体験することができる。 編集画面では、写真・動画ともに文字入力、らくがき、スタンプを使うことができ、動画は「0.5倍速」や「1.25倍速」など速度も変更することができる。さらに動画はコマ送りで振り返ることもでき、細かいカットまではできないものの、さながら動画編集ソフトを扱うYouTuberの気分を味わうことができる。 ・気分はYouTuber! 憧れのあの世界に入っちゃおう 『#バズゅCam』最大の特徴とも言えるのが、60種類ものメニューが用意されているテンプレート撮影だ。「Vlog」「大食いチャレンジ」「〇〇行ってみた」「ASMR」などなど、一度は目にしたことがあるテンプレートが軒並み揃っている。 なかには「謝罪動画」「報告動画」や「THE BUZZ TAKE」といったテンプレートもあり、「そこまで再現できるの?」と感じるほど、YouTubeに対しての解像度が高い。 テンプレート撮影は、撮影を開始すると「サムネイル撮影」からスタートする。試しに今回は「THE BUZZ TAKE」のテンプレートで撮影をしてみよう。 グリーンバッグを用意してから、サムネイル撮影へ。「THE BUZZ TAKE」のテンプレートは、まず歌手名と曲名の設定から入る。サムネイルのデザインはどこか見覚えがあり、憧れの世界に自分も入り込めたような気持ちになる。 そしてアングルの調整に。どこに立つのか、どんなポーズをするのかはアーティストの個性が出るところだ。自分も歌手になりきった気持ちでポーズを決めよう。 サムネイルが決まったら、撮影開始。マイクスタンドは用意しなくても画面のなかに現れるので、安心して欲しい。こんな細かいところまで本家に寄せて撮影ができるとは思っておらず、正直かなり驚いた。 動画が完成すると、動画冒頭にはタイトルの文字が散らばるというアイキャッチも自動的に差し込まれる。自動的にサムネイル→アイキャッチ→本編映像という構成で作成してくれるので、より1本の“動画感”が出るのもワクワクするポイントだ。 こういった高クオリティのテンプレートが、『#バズゅCam』には全60種類用意されている。ひと通りテンプレート撮影で遊んで動画のしくみを理解したら、自分だけのオリジナル企画で撮影してみるのも面白いかもしれない。 ・“バズる”を安全に体験しよう そして『#バズゅCam』では、たくさん写真や動画を撮影すると“バズ”を体験することができる。ただ、インターネットにはつながっているわけではないので安心して欲しい。あくまで『#バズゅCam』の本体のなかで、“バズ”を体験できるということなのだ。 自分が撮影した写真や動画がアルバムに保存されると、「さいこー!」「GOOD!」といったコメントが生放送時のチャットのように流れてきたり、フォロワーやいいね数が増えたりする。ネットにつながっていないだけで、反応はかなりリアルだ。「バズるってどういうこと?」という言語化しづらい感覚を、こういった機能で安全に体験することができる。 『#バズゅCam』は動画のほかにクイズやゲームもあるのだが、そこでもリアルなネットの世界を、楽しく知ることができる。 たとえば「ライブはいしん」というゲームは、「ひだりみてー」「まんなかみて」といった流れてくるコメントをヒントに、ガイドの位置に合わせて顔を映すというゲームになっている。リアルタイムに流れてくるコメントに合わせてその場で対応する、という配信者側の目線をゲームで体験することができるのだ。 クイズでは、ネットリテラシーに関する問題が出題される。『#バズゅCam』では、発信側の楽しさを体験できるだけではなく、ネットの危険性や個人情報の大切さを学ぶこともできるのだ。 いまの時代、YouTuberやTikTokerなどの動画クリエイターが将来の夢だという子どもは多い。だが、本当はどんな世界なのかは、自分で実際に動画を投稿してみないとわからない。もちろんバズったり人気になることで得られる楽しさや魅力もあるが、一度世のなかに発信した動画は二度と消すことができないことも事実だ。 いわば『#バズゅCam』は動画クリエイターのプチ職業体験のようなものだろう。普段見ている動画を、撮影する側の視点から見ることができる。楽しみながら大切なことも学べるトイカメラ『#バズゅCam』。いまの時代だからこそ、遊ぶ意味のあるおもちゃなのではないだろうか。
はるまきもえ