食事メニューで「幸福度」が変わる!? 気分をよくする食品の例
脳腸相関
いま現在、栄養科学の研究者が特に興味を持っているのは脳と腸のつながりだ。セロトニンの95%は腸内細菌によって作られる。そのため、腸内細菌のエサとなり、腸内細菌の多様性を高めてくれるプレバイオティクスの食品(アーティチョーク、アスパラ、リンゴなど)とプロバイオティクスの食品(キムチなどの発酵食品や生きた菌を含むヨーグルト)を摂取すれば、セロトニンの産生プロセスが促進される。これに関する有望な研究結果はすでにたくさんあるけれど、うつ病にヨーグルトを処方するには、より一貫したエビデンスが必要になる。 幸いにも、バランスのよい食生活を続けていれば、健康と気分の両方によい栄養素を十分に摂取できる。ポイントは、80gの野菜と果物を少なくとも1日5回、全粒穀物、乳製品か非乳製品の代用品、タンパク質(脂の多い魚x週1回を含む)を中心に摂取すること。エネルギーが徐々に放出される食品(全粒穀物など)を選び、血糖値を安定させることも大切。ご存じの通り、血糖値の急上昇と急降下がもたらす空腹感は、私たちの機嫌を一瞬で悪くする。
気分をよくする食品の例
サーモン:サーモンに含まれるオメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)は、一部の気分障害に有効とされている。週に一度は脂の多い魚(調理後で140g)を食べよう。 玄米:玄米には、気分の改善に必要な栄養素(食物繊維、鉄をはじめとするミネラル、ビタミンB群など)がぎっしり詰まっている。玄米は消化に時間がかかるので、グルコースがゆっくりと安定したペースで脳と体に供給される。 リンゴ:1日1個のリンゴで医者知らず、という格言が本当かどうかはさておき、健康心理学専門誌『British Journal Of Health Psychology』に掲載された2013年の研究結果は、野菜に加えて、リンゴなどの果物をそのままの形で頻繁に摂取すると、若い成人の気分が穏やかになり、幸福感と活力が増すことを示している。 ※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。