100均でも売ってるけど…高いフライパンと安いフライパン、何が違う?専門家が解説
実は、IHは注意が必要
【裏面】IH用の3つのタイプ
IH対応のフライパンの裏面には主に3つのタイプがあります。 ①裏面にボコボコした板が貼っているタイプ(ボコボコ) ②裏面に金属の粉を吹き付けているタイプ(ザラザラ) ③裏面全体を金属で包んでいるタイプ(つるつる) 比較しやすい①と③を記載します。 ①ボコボコタイプ
一番量産に向いており、安価なものも多く、軽いものもあります。 3タイプの中では一番発熱の効率が悪い傾向があります。 (ボコボコしているところが発熱しない素材) メリットは ・安価になりやすい ・フライパンが軽い傾向 デメリットは ・発熱の度合いが低い傾向 ・熱ムラがでやすい です。 フライパンを消耗品として考えた場合には、価格面も大切ですし、物理的な重さが厳しい方にはオススメです。 ③つるつるタイプ
価格が高価で、重たい傾向があります。 最も発熱の効率が良く、蓄熱性もあるので熱ムラがでにくいです。 メリットは ・発熱の効率が良い ・熱ムラが出にくい →料理や表面加工の寿命に、理論上◎ デメリットは ・価格が高いことが多い ・重たいことが多い です。 品質が良いものが多く、上手に使えば長持ちします。
【大切】IHの場合に特に注意
↓高価なフライパンの注意書き。熱に関する注意事項が最初に来てます。
・フライパンの表面加工は高温に弱い ・高価なIHフライパンは発熱の効率が良い という傾向や特徴を加味すると・・。 IHに関しては、特に高価なフライパン(上記③タイプ)は、 「省エネ」感覚で使って頂くことがオススメです。 →中火以下の火力で、フライパンが温まれば弱火でもok。 ※フライパンの構造や、ご自宅の環境にもよりますが「高いフライパンなら強火OK」というワケではないことが伝われば幸いです。 強火MAX≒時速180km 以前フライパンイベントの際にメーカーさんと、極厚ホットケーキを焼くイベントをした際に・・。 あくまでも「テフロン・フッ素樹脂加工のフライパン」においては、 自宅のコンロや、IHの「MAXの強火」は、 車のスピードメーターの「180km(国産車スピードメーターの最大値)」 と言ってもいいかもね。 と話をしたことがあります。 車もハイパワーな性能を示すためにスピードメーターが時速180kmまで表記があります。しかし、時速180kmを街中で使えば、きっと事故が起きます。 一般道であれば時速60kmあれば十分に生活はできるかな?と思います。 そんな感覚です。 そもそもの構造を理解して! こんな回りくどい記事を書きながら、個別商品のオススメを記載していないのは、最後はお客様に買い物の選択をしていただきたいから。 「フライパン おすすめ」などのキーワードで検索すると、 個別商品をオススメするサイトが多くヒットします。 その結果、お客様は 「●●のブランド、●●の商品ならOK」 のような特定の”答え”のような感覚を持たれる傾向が強くなっていると感じています。 情報は選択のために! 分かりやすく記載すれば たとえば、ティファールさんのフライパンにも様々なランクが存在します。 日本製のフライパンと言っても、様々なランクが存在します。 大切なのは、 使われる方にとって、その道具が良いのか 道具としては、その使い方でよいのか ということだと思います。 (結果、良い買い物ができていれば、私たちとしては嬉しい限りです。) また、そもそも道具選びには「ライフステージによる最適解」はありますが、「万人共通の正解」は無いと思っています。 情報はあくまで「使うもの」。 情報に「使われる側」になるよりも、ご自身で判断をした方が、買い物も生活も、場合によっては失敗も、きっと、より良いものになると思っています。 この記事は三保原屋本店のnoteから転載しています。
著者プロフィール
■三保原屋本店 1687年創業、静岡の家庭用品店。静岡駅前にある「呉服町商店街」で営業をしております。 基幹店舗の「三保原屋本店」では、キッチン雑貨、フライパン、陶器、木製品、服飾雑貨、洋服、タオル、靴下、インテリア雑貨等を「専門店」として販売しております。