箱根駅伝Stories/チーム作り順調な城西大 右肩上がりの目標設定 3強に食らいつき「4位以上を」
新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。 箱根駅伝2025 城西大のエントリー選手名鑑をチェック!
「まさに強くなる過程にいる」
昨年度の城西大は出雲駅伝2位、全日本大学駅伝5位、箱根駅伝3位と、三大駅伝でいずれも過去最高順位を残した。チームの主軸を担った強力な世代が卒業した今年度は、練習の状況やレースでの結果を見ながら、目標を流動的に設定していくスタイルを取った。 箱根が終わり、新チームが始動した時期に櫛部静二監督は「ひとまず箱根は最低限シード。出雲と全日本は10位以内」とし、年度初めには、目標を「3大駅伝7位以内」と上方修正。夏合宿を終えた後には、「出雲2位、全日本5位」と、さらに目標を引き上げて駅伝シーズンを迎えている。 常に右肩上がりの目標設定は、それだけチーム作りが順調、かつ、昨年度並みの順位を狙えるだけのチームになってきたと言えるのかもしれない。 上級生を中心に挑んだ2つの駅伝は、出雲が7位、全日本は6位と、結果的に目標には届かなかった。しかし、櫛部監督は全日本の直後、「少し前まではシードを取れば上出来でしたが、今回は6位でも選手たちから『悔しい』という言葉が最初に出てきました。チームが大きく成長している証ですし、今はまさに強くなる過程にいます」と、確かな手応えをつかんでいた。 その後、11月下旬から12月の上旬にかけての選抜合宿を経て、学生たちだけで掲げた箱根の目標は「4位」。それを聞いた櫛部監督は、「今の調子を考えて妥当とも思いましたが、それ以上の成績も十分に可能性があると踏んだので、私から括弧づけで『以上』を加え、『4位以上』を目指すことにしました」と言う。 10日のチームエントリーでは、1年時から2年連続2区と3区を担ってきた斎藤将也(3年)とヴィクター・キムタイ(同)、そして、今季は主将としてもチームを引っ張ってきた平林樹(4年)の“三本柱”など、主力として活躍してきた16人がほぼ順当に登録された。 なかでも櫛部監督が「エース」と考える斎藤は、「箱根駅伝のいろいろな記事を読みましたが、すべてにおいて『日本人エース』としか書かれていません。今回は真のエースになるために、ヴィクターよりも強さを見せていきたいです」と意気込んでいる。 他大学の選手ではなく、チームメイトのキムタイを意識するのは、「ヴィクターに勝てれば、学生トップを取れる」と思っているからだ。 実際、いずれも3区を担った出雲と全日本で、ともに2年連続区間賞を獲得。前回の箱根では3区区間3位で走ったキムタイは、いまや学生トップレベルの実力者といえる。同じ区間で競うことはできないが、同等以上の活躍ができれば、それは学生トップレベルの活躍に匹敵する可能性が高い。