どのぐらいの距離を増やすべき? 一度に10分走るだけでも効果はあるの? 「走り込み」の疑問に回答
Q.走る時間は10~15分だけでも効果はありますか? A.「絶対効果はあります。1kmでも2kmでも時間を見つけて走ることが大事。たとえば昼休み、着替える時間がない人はウォークでもいい。私はよく背中にタオルを入れて走ります。そうすれば軽く汗をかいてもタオルを抜くだけでいいので着替え時間の節約になります。メンタルの面でも、『1kmでも2kmでも距離を増やそう』という気持ちは、フルの最後の踏ん張りに必ず効いてきます」(弓削田) 「先ほど述べたような走り込みによるミトコンドリア増加や毛細血管密度の増加といった効果は『総運動量増加』によるところが大きいので、10~15分でも走らないよりは当然効果があります」(岩山)
Q.走り込み期は睡眠時間も増やすべきですか? A.「睡眠時間は1日単位ではなく、1週間や1カ月単位で考えましょう。数分でも早寝を心がけて累積睡眠量を増やすことが大切です(1日15分の早寝を継続すれば1カ月で7.5時間増)。交感神経が優位のまま眠っても疲れは取れないので、夜は副交感神経を高めてあげることが大切です。具体的には『就寝1時間前には入浴を終える』『入浴は浴室の明かりを消して脱衣所の明かりで入り、直接光を浴びないようにする『暗い部屋でストレッチ』『深呼吸』などが有効です」(西谷) 「走る時間を含め、1日の過ごし方を見直す機会になると考えてはいかがでしょうか。毎日は無理でも、身体を回復させるために長距離のドカ走りをした日は早めに就寝するようにしましょう」(森川)
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回答者: 岩山海渡先生(天理大学准教授)、弓削田眞理子コーチ(65歳以上女子マラソン世界記録保持者)、柳秀雄コーチ(サブスリー鍼灸師)、森川優コーチ(柔道整復師・トレーナー)、西谷綾子コーチ(タレント・睡眠改善インストラクター)