どんな人でも不安やネガティブ思考からは一生解放されることはない。その上でどう生きるか? 佐久間宣行が教える〈ブレないメンタルの作り方〉
ポジティブ思考は心のドーピング!?
ごきげんというと、物事を何でもポジティブに捉えなければならないと考える人が多いかもしれません。 気をつけたいのは、常にポジティブであろうとすると、実はごきげんな状態からどんどん遠ざかってしまうというパラドックスです。 僕はポジティブ思考の人と、筋トレして自らをストイックに追い込んだり、ダイエットで美しい体形をキープできる人は、とても似ていると思っています。 スタートしてから一定の期間は誰もがモチベーション高く取り組める。だけど月日が経過しても、モチベーションを維持できる人は案外少ないもの。努力し続ける強い精神や、成功体験といった根拠に基づいた自信がないと、結局は挫折してリバウンドしてしまうのです。 そもそも人間には、悲しみや怒り、不安など、それが発端になるネガティブ思考が常に付いて回ります。そして、ネガティブ思考によって感情はアップダウンする。 こういうデリケートな感情を無視したり、ポジティブ思考で上書きしようとすることは、本心に蓋をしたり、自分に嘘をつくことにもなりかねない。ネガティブからポジティブへのギアチェンジには、膨大なエネルギーも使わなきゃいけないから、ますますしんどいはず。ブレないメンタルを持つこととは違うベクトルに向かってしまいます。 ポジティブ思考とは「脳汁」とも言える気分の高揚や幸福感をもたらす、一種の自己暗示のようなもの。いっときは自己肯定感が高まった気分にはなるけど、そうそう長くは続かない。維持するには、それなりの気合いが必要になります。 ポジティブ思考を常に保ち、成長できるのは、不屈の精神と行動力を持ち合わせたトップアスリートや、小学生の頃から大人になるまで競争で負け知らずの超エリート、あるいは天賦の才能に恵まれたひと握りの人間(ただ、エリートも天才も、一度挫折を味わうとあっという間にネガティブ沼に落ちてしまうという可能性はなきにしもあらず、ですが)。 つまり、ごく一部の精鋭だけ。そう割り切ったほうが気持ちがラクになるし、自分らしくいられると思います。
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