利回りが高ければいいとは限らない⁉ 「稼げる不動産投資用物件」が満たす条件、3つ
都市ごとのワンルームマンションの利回り相場
先ほど、ある想定条件で利回りを計算しました。これから購入する投資物件の選定をする際にも、さまざまな投資物件に出会うことでしょう。そこで提示されている利回りが果たして相場と比較してどうなのかを判断するためには、相場観を掴んでおく必要があります。 ここでは、一般社団法人日本不動産研究所の「第47回不動産投資家調査」のデータ(2022年10月)を用いて、投資用マンション物件の利回り相場を紹介します。不動産投資で人気の高い、ワンルームマンションの期待利回りを見てみましょう。 このデータは賃貸住宅一棟物件の平均値なので、区分マンションとは少し異なる可能性があります。あくまでも利回り相場の目安として参考にしてください。 利回りの高い投資物件には注意も必要 利回りは投資した金額に対して「稼ぐ力」を示しているので、高いほうがいいと思いがちです。しかし、実際にはそれだけで判断するのは早計です。その理由は、利回りの計算方法にあります。 利回りは年間の家賃収入を物件の購入価格で割って求めます。分子にあたる家賃収入が増加することによって利回りが向上するのは悪いことではありませんが、分母である物件の購入価格が安くなることでも計算結果は高くなります。 先ほど紹介した全国主要都市の利回り相場を見ると、東京だけが3%台で、京阪神や横浜、名古屋などが4%台です。そして札幌や仙台、広島が5%台です。このように大都市ほど利回りが低くなるのは、物件価格が高いことも理由の1つです。 逆に物件価格が安いと利回りは高くなるため、「利回りが高すぎる物件」は、「物件価格が安すぎる物件」の可能性があります。安すぎる物件には、必ず理由があります。 立地条件が悪い、そもそも賃貸需要のないエリア、とても古い建物であるなど、こうした物件はいくら期待利回りが高くても入居者が付きにくく、購入してはいけない物件の一種です。利回りの高さだけで安易に飛びつかないように注意しましょう。