年末の海外旅行を直撃!12月から「燃油サーチャージ」再値上げ…「サーチャージ」無しの航空会社とは
円安、ウクライナ情勢…航空券の高止まりが続く
海外航空券を買う際、「燃油サーチャージ」が気になる人は、特に最近多いのではないだろうか。燃油サーチャージの正式名称は燃油特別付加運賃で、通常もとの運賃とは別に加算される。基準となる原油価格に応じ、その燃油サーチャージの金額は上下する。 【リピーター続出!】座席が広い…! 燃油サーチャージが「ゼロ」のMCCとは…? その燃油サーチャージが、コロナ後に上昇を続けている。’22年秋をピークに一時下がったものの、この12月発券分からまた値上げになり、旅行費用に重くのしかかる。 しかし、すべての航空会社が燃油サーチャージを課しているわけではない。中には、燃油サーチャージが運賃に最初から含まれていたり、不要だったりする。特典航空券も、燃油サーチャージを別途徴収する、また徴収しない航空会社も存在する。 ◆運賃より高い燃油代も! 日本在住者にとって戦況以外に不利な理由も ANAの場合、’20年4月から1年ほど、燃油サーチャージは無料だったが、その後上昇。’22年10~11月発券分は、6700(韓国)~58000円(欧米豪)に達した。その後少し下がり、’23年10~11月発券分は3000~29000円で、12月~’24年1月分がまた5000~41000円にアップした。 いずれも片道当たりなので、往復だと2倍となる。運賃が往復10万円ほどでも、燃油サーチャージだけで往復約10万円が加算されると、航空券の支払金額は一気に20万円まで跳ね上がる。 昨今の原油価格の上昇は、ロシアとウクライナの情勢に加え、最近では中東での緊迫した状況が続くことも無縁ではない。日本在住者にとって、円安の影響もある。 ◆燃油サーチャージを「徴収しない航空会社」は果たしてお得なのか 航空会社の中で、燃油サーチャージを課さないところもある。フルサービスキャリア(FSC)では、シンガポール航空やカタール航空、カンタス航空など。その燃油分は、あらかじめ運賃に含まれている。 シンガポール航空の場合、東京発シンガポール行きで、’24年1月の最安値が往復79590円、年末年始だと往復254230円。燃油サーチャージや諸税が含まれている。一方、ANAの公式サイトで検索すると、往復約30万円。そのうち、燃油サーチャージは往復31000円だ。その公式サイトでは、最安値だと往復10万円~(燃油込)も見られる。 筆者は’23年6月に日本とヨーロッパを往復した際、カタール航空で乗り継ぎ便を購入し、総額18万円ほど。当時の欧州路線は乗り継ぎで25~30万円、直行便だと40万円ほどした。他社より割安感があったのは、燃油込みの運賃だったからだろう。その頃、日欧間を往復するビジネスパーソンの間で「カタール航空が御用達」とけっこう聞かれた。 では、燃油込運賃がお得かというと、一概には言えない。高いか安いかは、支払総額で判断すべきである。旅行業界やよく飛行機に乗る人々らの間で「シンガポール航空は(燃油込みでも)もともと高い」という声も実際多い。それでも時として、セール時に割安運賃で販売されることもある。