【京都金杯】河内師 騎手&調教師W制覇だ!厩舎ゆかりの血統ウォーターリヒト「結果出したい」
ウォーターリヒトで京都金杯へ挑む河内洋師(69)も3月に定年引退。騎手時代に2度制した同レース、最後の挑戦で美酒に酔いたい。 騎手時代は名手とうたわれ、05年に厩舎を開業した河内師は3月4日に定年引退を迎える。スポニチ賞京都金杯に送り込む4歳ウォーターリヒトは厩舎ゆかりの血統。芝6Fで5勝を挙げたオープン馬の祖母マチカネハヤテ、芝とダートを合わせて3勝した母ウォーターピオニーを管理した。河内師は「ずっと見てきた血統で、この馬に関しては、もう一年やりたい気持ちがある。何とか結果を出したい」と思い入れが強い。 ウォーターリヒトは初勝利まで4戦を要したが未勝利勝ち直後に挑んだ昨年1月シンザン記念で17番人気3着、続く2月きさらぎ賞で10番人気2着に食い込んだ。その後、3戦連続で馬券圏外も夏場を完全休養に充てたことで体質が強化された。「以前の体はネジを緩めているような感じ。それが少しずつ締まり、中身が良くなった。春よりずっといい」と成長を伝える。 秋初戦の前々走キングカメハメハメモリアルは後方2番手から上がり3F最速の脚で大外一気。前走キャピタルSも同様の運びで差し切り、なかなか勝ち切れない春先までのイメージが一変した。「無駄なことをしないし、扱いやすい。どの条件にも対応できるのが強み」と胸を張る。 京都金杯は騎手時代に96年テイエムジャンボ、99年ヒカリサーメットで制した。競馬をひと筋に愛したホースマンの物語は残り2カ月。「騎手でも調教師でも仕事に対する思いは一緒。無事に帰って来てくれれば。馬は絶好調だよ」。定年間近の河内師にうれしい重賞タイトルを届ける。 ◇河内 洋(かわち・ひろし)1955年(昭30)2月22日生まれ、大阪府岸和田市出身の69歳。74年、武田作十郎厩舎所属で騎手デビュー。85&86年は全国リーディングに輝く。関西騎手界の第一人者として、03年2月の引退までJRA通算1万4940戦2111勝、うち重賞134勝(G1級は22勝)を挙げた。03年に調教師免許を取得し05年3月開業。JRA通算4774戦380勝(重賞6勝)。