そろそろ自宅の「終活」をしたいけど何から始める? まずは生前整理から!
70歳近くになると、これまで住んでいた自宅の片づけを意識するようになる人は多いでしょう。マンション住まいが長く、何度も引っ越しをされてきた方は別として、とくに戸建て住宅に長く住み続けてきた方にとっては、「生前整理」もかなり大変です。どのような手順ですすめたらよいでしょうか。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
何を整理するかをまず確認
とくに戸建て住宅に長く住み、老夫婦だけで生活している場合は、最も生前整理が必要になるかと思います。子どもが巣立っていった家庭であれば、子どもたちの独立後も、子どもたちが使っていたものが残っているはずです。 具体的には、遊び道具、勉強机、本棚、書籍類、アルバム、衣類など、使わなくなった子ども部屋に、そのまま残されている家庭も多いのではないでしょうか。 もしかすると孫たちが将来使うかも、小さいころの思い出の品だからと考え、とりあえず残したモノがかなりあるはずです。これらのモノは子どもたちに相談し、不要ということであれば、すべてが処分の対象になるかと思います。子どもたちにも、遺品整理に協力してもらえると思います。 それにメドがついたら、自分たちの番です。例えば、あまり着なくなった衣類、ほとんど読むことのない書籍や雑誌、使わなくなった家具や家電製品、来客用の食器や座布団、子どもたちと写した写真、物置などに放置された庭で使う道具、さらにはパソコン内に保管されている各種データなど、結構な量になると思います。 すべてを整理するわけではありませんが、ここ数年ほとんど利用していないモノは、まずは生前整理の対象です。とくに自分たちの死後の遺品整理に、できるだけ負担をかけないように配慮したいものです。当然ですが、新規にモノを購入する際にもできる限り控えることも大切です。
終活全般への不安も大きい
終活のために生前整理を進めたいと考えても、やはり不安は残ります。とくに思い出の品物に関しての整理・片づけはどこまですべきか、悩むところです。子どもがいる場合は、子どもたちの意見も聞いて、必要なものだけは残すことも考えましょう。 しかしマンション暮らしの方が多い若い世代には、多くの品を引き継ぐこと自体が難しいという事情もあります。また子どもがいない夫婦の場合は、自分たちの思い出だと考えても、死後にまで残す必要がないため、時期をみて大胆に処分する必要がありそうです。 将来、介護施設への入居や延命治療への対応、といったことへの不安も大きいかと思います。子どもなどの親族へ、できるだけ希望は伝えるべきです。ただ認知症などで施設介護の必要が出てきた場合は、それを受け入れる姿勢をもつことも必要です。 また「墓じまい」への不安もあります。自分たちの代で終わり墓を継ぐ家族がいない方は、なるべく早い時期に対処したいものです。 パソコンやスマホに入っているデータについて、どうするかは考えたいものです。個人的な情報や他人に知られたくない情報が、かなりデータとして内蔵されている方もおられるはずです。 通話と簡単なメール以外には、パソコンやスマホは利用しないという方は別ですが、各種写真データや金融・証券データ、家計データなどが詰まっている方の場合は、どこかの時点から、データ自体の消去や紙媒体での保管を考えたいものです。自分の死後だけでなく、認知症になり、情報管理ができないことも想定して行動したいものです。