10月に「社会保険適用拡大」が迫る。月額12万円のパートで将来の年金はいくらになる?
社会保険加入による保険料負担が発生(デメリット)
社会保険加入によって、厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料(40歳以上の人)などの負担が発生します。 社会保険料は勤務先と従業員が折半して負担します。 各保険料率(従業員負担分)は次の通りです。 ・厚生年金:9.15% ・健康保険:約5%(健康保険組合や協会けんぽによって異なる) ・介護保険:0.8%(協会けんぽ) 社会保険の適用拡大と社会保険料の負担について解説しましたが、次章では社会保険加入によるメリットを紹介します。 年金がいくら増えるかもシミュレーションしますので、確認しておきましょう。
社会保険加入によるメリット
社会保険加入によって保険料の負担が発生しますが、メリットもあります。 厚生年金と健康保険について、メリットを紹介します。 ●厚生年金加入によるメリット 厚生年金加入による最大のメリットは、将来の年金が増えることです。 国民年金加入者は「老齢基礎年金(2024年の満額81万6000円)」しかもらえませんが、厚生年金に加入すると老齢基礎年金に加えて「老齢厚生年金」も受け取れるようになります。 老齢厚生年金の金額は、給与や賞与、厚生年金加入期間で決まります。 パート収入が月額12万円とすると、加入期間に応じた老齢厚生年金額(概算・年額)は次の通りです。 ・10年:約7万9000円 ・20年:約15万8000円 ・30年:約23万7000円 ・40年:約31万6000円 老齢基礎年金が満額の81万6000円だと仮定し月額12万円で10年間パートをした場合、年金額は約89万5000円(月額約7万5000円)となります。 加入期間が長くなるほど、将来の年金は増えます。 ●健康保険加入によるメリット 配偶者の被扶養者と健康保険に加入する場合と比較して、自分で健康保険に加入すると給付の範囲が広がります。 例えば、次の給付が受けられます。 ・傷病手当金:病気やケガで会社を休んだときの給付 ・出産手当金:出産のため会社を休んだときの給付 など また、国民健康保険から健康保険に変わった場合は、保険料が安くなるケースもあります。 扶養家族がいれば、被扶養者を自分の健康保険に入れることも可能です。