会見を行ったWBC世界バンタム級王者の中谷（撮影・野上伸悟）

　14日に2度目の防衛に成功したプロボクシングWBC世界バンタム級王者中谷潤人（26＝M・T）が一夜明けた15日、東京ドームホテルで記者会見に臨んだ。プロ77戦でダウンやKO負けが1度もなかった同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ（30＝タイ）から2度のダウンを奪って6回TKO勝利。無傷の顔でV2防衛の会見に臨んだ中谷は「多少の筋肉痛はあるけれど、ケガはない。サウスポーに対しての対応、練習してきたことがしっかりと出せました」と振り返った。　今年2月に世界3階級制覇となる同王座獲得からバンタム級3戦目。「この階級にフィットしている。（減量が）きつくなりつつもあるが、そこは節制すれば良いコンディションをつくれる。引き続きバンタム級でやりたいと思う」とビッグマッチの可能性がある25年を見据えた。 　今年7月、米プロモート大手トップランク社と契約を締結。今秋には米国リングに上がるプランもあった。事情で見送られたものの、来年は米再上陸する可能性は十分にある。中谷のマッチメークを任される帝拳ジムの本田明彦会長は「海外からも高い評価を受けている。対戦相手を探すのも難しくなっているので、米国に行かせる可能性はある」と説明した。 　実現すれば、米リングは昨年5月にアンドリュー・モロニー（オーストラリア）と対戦したWBO世界スーパーフライ級王座決定戦以来。この試合でモロニーを失神KOに追い込む12回KO勝利を挙げ、歴史と権威のある米老舗専門誌ザ・リングの23年の年間最優秀KO賞に輝いていた。【藤中栄二】