【時系列でわかる⑪】“ガザ地区での攻撃縮小”を協議 米側、イスラエル首相らと会談(4日~15日まで)
■12月12日 イスラエル軍 ハマス地下トンネルに海水注入を開始 米報道
パレスチナ自治区ガザ地区にあるイスラム組織「ハマス」の地下トンネルについて、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは12日、イスラエル軍が海水の注入を始めたと報じました。 ウォール・ストリート・ジャーナルは12日、アメリカ政府高官の話として、イスラエル軍がガザ地区にあるハマスの地下トンネルに海水の注入を始めたと報じました。いつ始めたのかは明確になっていませんが、注入は数週間続くとみられています。 イスラエル側は、これらの地下トンネルでハマスが人質や戦闘員、武器などを隠しているとしていて、あるバイデン政権の高官は、この作戦がトンネルの一部を破壊するのに効果的だろうとの認識を示しているということです。 ただ、海水の注入はガザ地区の水の供給に悪影響を及ぼすとの懸念も出ています。 こうした中、ガザ地区とイスラエルとの境界にあるケレム・シャローム検問所では、ガザに運び込む支援物資の安全検査が始まりました。 これで検査場所は2か所となり、支援物資の量が増えることが期待されますが、検査した物資はこれまで通り、ラファ検問所から運び込まれるため、人道状況の改善につながるかは不透明です。
■12月13日 イスラエルのネタニヤフ首相「戦闘継続」を強調 停戦求める声も強硬路線崩さず
パレスチナ自治区ガザ地区で多くの民間人が犠牲となり、停戦を求める声も高まる中、イスラエルのネタニヤフ首相は13日、国際的な圧力に直面しても戦闘を続けると強調しました。 ロイター通信によりますと、イスラエルのネタニヤフ首相は13日、軍へのメッセージで「大きな痛みや国際的な圧力に直面しても、最後まで勝利のために戦う」と強調しました。 国連で即時停戦を求める総会決議が採択され、アメリカのバイデン大統領からも「イスラエルは世界で支持を失いつつある」と苦言を呈されましたが、イスラエルは強硬姿勢を崩していません。 イスラエルによる激しい攻撃が続く中、イスラム組織ハマスも13日、ガザ地区南部などでの戦闘とする映像を公開し、イスラエル軍の車両を攻撃したと主張しています。 また、ハマス側はロケット弾による越境攻撃も行っていて、ロイター通信によりますと、イスラエル軍が迎撃したロケット弾の破片が、イスラエル南部のスーパーに落下しました。 こうした中、ガザ地区では13日、広い範囲で大雨が降り、中部の難民キャンプも浸水しました。冬を迎えて気温も低下していて、避難民は厳しい生活を強いられています。WHO(=世界保健機関)は感染症も拡大していると警鐘を鳴らしています。