かんぽ生命不適切販売問題 NHK経営委が議事録を公開
2018年に日本郵政グループのかんぽ生命による不適切な保険販売の実態を伝えた番組に関連して、当時のNHK経営委員会がNHK会長を口頭注意していた問題で、NHKは18日、これまで非公開としていた経営委員会の議事録を公開しました。 NHKは2018年4月、報道番組「クローズアップ現代+」で、かんぽ生命による不適切な保険の販売を取り上げました。その後、日本郵政側は、番組が不適切な保険販売への情報提供を呼びかけるためにSNSに投稿した動画の一部に誤りがあるなどと主張して、動画を削除するよう申し入れました。 さらに、日本郵政側は、NHK側が行った番組制作体制についての説明を問題視し、2018年10月にNHK経営委員会に抗議文を送りました。 その後、経営委員会は当時の上田良一会長に口頭で注意を行いました。 放送法は、NHK経営委員会の「番組への介入」を禁止しているため、この問題を巡る経営委員会の一連の対応について、放送法違反の疑いがあるとして、市民団体がNHKを提訴していましたが、17日に和解が成立しました。 これを受けて、18日に公開された議事録では、当時の経営委員が「極めて稚拙。取材はほとんどしていない。実際、現場に行ってない。極めて作り方に問題がある」などと制作手法を厳しく批判するなど、生々しい会話が明らかにされています。 NHKの稲葉会長は18日の記者会見で、「この問題を報じた当該番組に関しては、放送の自主自律、番組編集の自由が損なわれたという事実はなかった」とした上で、「NHK経営委員は、放送法で協会の業務の執行、個別の放送番組の編集に干渉することは固く禁じられている。今後もしっかり順守していただきたい」と述べました。