子どもによる「盗撮」相次ぐ…大人がそそのかす? 校内なら“プレミア”も「スマホ持ち込み」禁じるべき?【#みんなのギモン】
■通称「撮影罪」で多くの中高生を検挙
斎藤佑樹キャスター 「『子どもだからしょうがないよね』とは絶対にならないと思うんですよ。これは罪にはならないんですか?」 小野解説委員 「罪になり得ます。一昨年7月に施行された、性的な盗撮行為を取り締まる『性的姿態等撮影罪』(通称・撮影罪)では、3年以下の懲役または300万円以下の罰金になります」 「子どもの検挙数は多いです。警察庁によると、加害者も被害者も中学生(14歳以上)の盗撮行為のうち、撮影罪で検挙された人数は一昨年7月~去年11月の1年あまりで83人でした。高校生になるともっと増え、316人です」 瀧口麻衣アナウンサー 「そんなに多いんですね。さらにどんどん拡散されていくと考えると、とても怖いですよね」
■盗撮画像がネットで売買されることも
小野解説委員 「子どもたちがSNSで拡散すると、それに大人が乗っかってくるとみられるケースもあるようです。あるSNSでのやりとりの画面では、盗撮されていた女子生徒の住所や電話番号など、個人が特定される可能性のある情報まで載せられていました」 「ボランティアでネットパトロールを行い、盗撮画像などの削除要請や通報を行っている『ひいらぎネット』代表の永守すみれさんに話を聞きました。永守さんによると、盗撮された画像などがネット上で売買されることもあるといいます」
■駅や商業施設と違う「学校内」の危険
永守さん 「(撮影地が)駅や商業施設だと成人女性に制服を着てもらって撮影するポルノの可能性が出てきますが、学校内(での撮影)だとその可能性はなく、限りなく100%現役の女子高生が被害に遭っているということで、ある意味“プレミア”がついてしまっている」 小野解説委員 「プレミアという嫌な言葉が出てくるぐらい、はびこっていたりもするわけです。永守さんは『大人が中高生に盗撮をそそのかしているような現状を変えないといけない』と話していました」
■専門家「想像力が働きにくい」
斎藤キャスター 「大人が盗撮を肯定するようなことは絶対にいけないと思いますが、子どもによる盗撮はなぜこんなにも相次いでいるんですかね?」 小野解説委員 「専門家に聞きました。3000人以上の性加害者を対象に再発防止のための相談や治療プログラムなどに携わってきた西川口榎本クリニックの斉藤章佳副院長によると、小学6年生の男子児童が学校内で盗撮をしていたケースもあるといいます」 「斉藤副院長は『今の子どもたちは生まれた時からスマホがあり、スマホなどで同意なく撮影したり撮影されたりする暴力性について、他の人にどのように影響するか想像力が働きにくいという特徴がある』と話します」 「そして偏った思考を持っています。斉藤副院長は『のぞかれる人が悪いし、中が見えるような建物が悪い』などと自分を正当化したり、『のぞいても被害はないし、相手は傷つかない』などと自分に都合のいい認識を持っていたりすると指摘しています」 鈴江アナウンサー 「間違いなく相手は傷つきますし、加害者になった人も傷つきます。絶対によくないことだと大人が教えていかなければいけないと思います。デジタルの道具が先に来ていると、(使う側のリテラシーが)追いついていない現状もあると感じました」