論点がズレる人とはどう会話をすればいい? 中野信子が回答する“対処の5パターン”
みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えする連載「あなたのお悩み、脳が解決できるかも?」。今回は、「会社での先輩の行動」という難題に、中野さんが脳科学の観点から回答します。(全3回の1回目。 #2 、 #3 を読む) 【写真】この記事の写真を見る(2枚) ◆ ◆ ◆
Q いつも論点がズレる人とはどう会話をすればいいのでしょうか─39歳女性・会社員(自動車メーカー)からの相談
――職場の同僚の中にいつも話がかみ合わない、論点がズレる人がいます。イラッとするので話をするのを避けてきたのですが、中野さんと兼近大樹さんとの共著(『笑いのある世界に生まれたということ』)を読んで、それはその人のせいではなく、その人と私は違う“山”の住人だから話が通じなくても仕方がないのだと腑に落ちました。 ただ私は管理職になり、その人が直属の部下になるため、話がかみ合わないでは済まされなくなってしまいました。論点がズレる人とは、どうしたら会話が成り立つようになるでしょうか。 おっしゃることがとてもよく分かるように思います。というのも、私の場合はそれが自分の家庭内で起きていることで、ずっと見ないようにしてきたとはいえ、この先ずっとこのままでいいのかと悶々とする時も定期的にやってくるのです。 閑話休題。私の話ではなくあなたのお話でしたね。同僚の方とどのように話がかみ合わないのか、ご相談の文面から点と点をこちらで勝手につないで推測するしかなく、もしかしたら私の推測にズレを感じてイラッとされてしまうのではないかと若干緊張もします。そこで、いくつか話がかみ合わない、ズレる相手のパターンを提示し、それぞれの対処法を考えてみたいと思います。
察してちゃんには、いつでも逃げられる態勢を整えてから発動
(1)言葉尻をとらえて論破しにかかってくる(論破系) このタイプは余裕のあるときならよき手合わせ相手として楽しいのですが、さすがに毎日となるとウザいですよね。この際、「はい論破!」と言って皆から疎まれるイヤミ課長(木下ほうか演)の写真をその人のデスクにこっそり置いて、自覚を促してやりましょう。 (2)こちらの言っていることを奪って自分語りをしてくる(自分語り系) 同僚の方はこのタイプではないだろうと思いつつも一応記しておきます。世間にはこういう人も一定数いますね。私は面倒なので「今はあなたの話を聞く時間ではないのですが」とはっきり伝えることにしています。これで100%黙ってくれます。上司によるハラスメントだと言われないよう、念のためやり取りを記録しておくほうがよいかもしれません。 (3)腹の底に言いたいことがあるのに自分からは言わず、こちらが察してあげるまで外堀を巡り続ける(察して系) “察してちゃん”は本当にキモいですよね。このタイプについても私の個人的な対処法で恐縮ですが、「察して」の裏側にある、本人がひた隠しにしている欲求を晒してあげると一撃で黙ります。この方法は逆恨みされるかもしれないので、使い時を吟味して、いつでも逃げられる態勢を整えてから発動するようにしてください。