「まあ自分はシロだと思って」平本蓮はなぜRIZINの検査発表を待たずに会見を開いたのか? 薬物疑惑の“焦点”は何か
会見時間は約1時間7分。それだけの長丁場だったにもかかわらず、終始、毅然とした態度で記者陣の問いかけに応じる姿が印象深く残った。 【動画】衝撃の1ラウンドKO! 平本蓮が朝倉未来を猛ラッシュで沈めたシーン 9月2日、東京都内で格闘家の平本蓮が都内で緊急記者会見を実施。去る7月28日にさいたまスーパーアリーナで行われた「超RIZIN.3」のメインイベントとなった朝倉未来戦でのドーピング疑惑に対する自身の考えなどを語った。 先の朝倉戦で、拳の連打による1ラウンド2分18秒でKO勝ちを収めた平本。SNSでの“場外戦”を含めて約5年も作り上げられたエンターテインメントは多くの関心を集め、衝撃決着に大衆は熱狂した。だからこそ、急転直下で飛び出た「疑惑」は波紋を呼んだ。 8月に入ってSNSで平本が朝倉戦でステロイドを使用したとする真偽不明の音声データが拡散。さらに「信頼していた」(平本談)という練習仲間である格闘家の赤沢幸典が自身のXで自身がドーピングを指南したと告白。お茶の間を巻き込んだ大騒動へと発展していた。 この騒動においてひとつの焦点となるのは、RIZINが実施したドーピング検査の結果だ。 RIZINの榊原信行CEOは、8月21日に開いた会見で「大会当日に厳正なる検査を行っています。その検査結果がすべてです。来週中には出てくる。尿を採取して空輸して米国の検査機関SMRTL(スポーツメディカルリサーチ&テイスティングラボラトリー)に送っている」と明言。「陽性反応が出れば、ルールに基づいて対処する。それ以上でも以下でもない」としていた。 さらに榊原CEOは、8月31日に自身のXで「ドーピングの検査結果を踏まえて、来週後半までには記者会見を必ず実施します。時間がかかっていますが、今暫くお待ち下さい」と呼びかけていた。 そうした中で、平本側がRIZINの検査結果を待って、対応するという形を取っても不思議ではなかった。ではなぜ、彼は先んじて行動に移したのか。 のぞみ総合法律事務所の吉野弦太、成豪哲弁護士の臨席の下、白地に細いストライプのダブルスーツ、白いシャツ、赤いポケットチーフというスタイリッシュないで立ちで会見に臨んだ26歳は、「あまりにも騒動が大きかったのでしっかりと記者会見をやろうと思いました。自分の口から早く言いたかったので。RIZINより早く発表したかった」と説明。そして、こうも語っている。 「(RIZINの検査結果発表が1週間、先延ばしにされたが)自分も先週だと聞いていたので、先週、結果を待っていたのですが、なかなか連絡が来なかったので。自分もいつになるんだろうという感じはありますが、まあ自分はシロだと思っています」