負担軽減し魅力ある職場に 保育人材確保、労働環境改善へ 奄美市官民連携会議
奄美市保育人材確保に向けた官民連携円卓会議(吉村喜美代座長)の第3回会合が30日、鹿児島県奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。官民の対話を通じて、保育人材の不足解消や労働環境の改善などにつなげようと今年8月に初開催。働きやすい職場づくりに関する講話があり、委員らが保育現場の課題や解決策について意見を交わした。 委員は有識者や保育事業者、障がい児通所支援事業者、行政関係者ら13人で構成する。事務局は市重点政策推進監。会議は月1回のペースで開催している。 前半は委員の一人で、前田社会保険労務士事務所(奄美市名瀬)の前田匠副所長(40)が講話。より良い職場づくりには、給与や福利厚生などの待遇で決まる「働きやすさ」と、成長する喜びや人の役に立つことを実感できる「魅力」の両方が必要だと強調した。 後半は協議があり、事務局が実施したアンケートのまとめ速報を共有した。対象は市内の保育施設や障がい児通所支援事業所などで、集計期間は今月11日~29日(回答期限は11月5日)。 保育の環境・魅力向上のため取り組むべきこととして、最も多かった回答は「給与、賞与などの金銭的処遇の改善」(得点率27・5%)だった。「休憩や残業・持ち帰り業務の改善・解消」(同23・4%)、「人間関係やマネジメント向上」(同15・0%)などが続いた。 働く人の視点から考えた三つの対策も共有。①働き方(残業や人間関係など)②働く場所(待遇や設備環境など)③社会・地域(社会的評価など)のアップデートを目指す。 意見交換では委員らが、「保育士は高い自己意識を持ち、自分を犠牲にして子どもに対応する感情労働の文化形成が強い」と指摘。保育に関する日々の記録など事務作業や行事の準備・制作のため、残業や持ち帰り業務が常態化していることが課題として挙がった。