港湾用クレーン現地で組み立て…三井E&S、米BABA法対応で新スキーム確立へ
三井E&Sは米国のビルドアメリカ・バイアメリカ(BABA)法に対応し、港湾用クレーンを現地で組み立てる新たなスキームを確立する。クレーンの主要部位を大分工場(大分市)から米国西海岸まで運ぶための輸送船を自社保有し、客先の岸壁に積み降ろしたのち、現地で最終組み立てを完了する流れ。高品質を維持した上で短納期を実現する枠組みをつくる。 子会社の米パセコ(カリフォルニア州)、カナダ・ブルックフィールド(トロント)と連携し検討を進める。パセコが米国で港湾クレーンの最終組み立てを行うのは1989年以来。米国の港湾インフラの安全確保に貢献する見通しだ。 新たなスキームでは、大分工場で製造したコンテナ用岸壁クレーン(ポーテーナ)を二分割して米国に輸送し、特殊ウインチを活用して現地で最終組み立てを完了する。BABA法対応としてクレーンを構成する調達品の55%を米国製とするめども付けた。米国での製造範囲の拡張も視野に入れる。 三井E&Sは船舶用エンジンと港湾用クレーンを中核事業に位置付け、2026年度に営業利益220億円以上、営業利益率6・5%を目指す方針だ。