ニューウェイ獲得に巨額オファーと噂のアストンマーティン、クラック代表は「今の技術陣に満足している」と強調
アストンマーティンF1のオーナーであるローレンス・ストロールは、サウジアラビアGPの週末に、著名なF1デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイに対し、巨額の移籍オファーを提示したとされている。 【ギャラリー】これが鬼才の仕事。エイドリアン・ニューウェイ作のベスト10マシン 2006年にレッドブルに加入して以来、ニューウェイはフェラーリからの誘いを断るなど、レッドブルを離れる機会を断ってきた。だがアストンマーティンをチャンピオンを争うチームに成長させるという野望を実現させるために、ストロールはニューウェイ獲得を熱望しているのだ。 すでにアストンマーティンは新ファクトリーを完成させ、新しい風洞を整備。2026年からはホンダのワークスパワーユニットを獲得し、メルセデスやレッドブルからスタッフを引き抜いている。 アストンマーティンのマイク・クラック代表は、元レッドブルのエアロダイナミクス責任者ダン・ファロウズ、パフォーマンス・ディレクターのトム・マッカロー、エンジニアリング・チーフのルカ・フルバット、そして最近マクラーレンから加入したボブ・ベルを含むテクニカル部門にすでに満足していると語った。 アストンマーティンがニューウェイに対して、“天文学的”なオファーを行なったのかと聞かれ、クラックはスカイスポーツに次のように答えた。 「ダン、トム、ルカと非常に強力なテクニカル・チームがある。最近、ボブ・ベルが加わった。だから、今のところ満足しているよ」 強力なインフラを築き上げたとはいえ、アストンマーティンは2025年以降のドライバーラインアップについても強力な布陣を確保しなければならないだろう。 メルセデスのシートが空き、レッドブルからマックス・フェルスタッペンが離脱する可能性がある今、フェルナンド・アロンソは現行契約が今年末で満了して以降チームに残るとは明言していない。 またアストンマーティンはマックス・フェルスタッペンの獲得に乗り出すかもしれない。3度のワールドチャンピオンに輝いたフェルスタッペンはレッドブルのチーム内の混乱に不満を持っていると言われている。 ニューウェイとの契約が実現すれば、アロンソとフェルスタッペンの次の所属チームに大きな影響を与えるかもしれない。 レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコはmotorsport.comに対し、ニューウェイは”強く求められている”と語り、アストンマーティンからのオファーはニューウェイに提示される最後のオファーではないと付け加えた。 「ニューウェイは非常に需要の高いデザイナーだ。彼は誰もが欲しがるデザイナーだ。私は、それが最初のオファーだとは思わないし、それが最後のオファーになるとも思わない……」 「ニューウェイを失うことは常に大きなデメリットだ。なぜならそれは、他のチームが彼を手に入れるということだからだ。その場合、彼は知識だけでなく、信じられないような経験ももたらすことになる」 「彼はカルト的な存在だから、若いエンジニアにとっても非常に重要なんだ。彼らはニューウェイと一緒に働きたいからチームに入ってくる。全体として、エイドリアンがいることは大きな収穫だ」