ヘッジファンド手数料開示規則、米連邦高裁が無効判断-SECに打撃
(ブルームバーグ): 米連邦高裁は5日、ヘッジファンドとプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社に対し、四半期ごとに手数料と経費の投資家への詳細な説明を義務付ける米証券取引委員会(SEC)の規則について、無効との判断を示した。プライベートファンド業界の規制は大きな後退を余儀なくされる。
ニューオーリンズの高裁判事3人は、SECが権限を逸脱しており、プライベートファンドに資金を投じる「極めて熟練した」投資家にそうした規則は不要と訴えた業界団体の主張を認めた。エンゲルハート判事は、SECによる規則の採用が「法的権限を越えている」とした。
SECは今回の判断を検討しており、「適切に次のステップを決定する」と説明した。
ヘッジファンドやPE投資会社、SECを提訴-手数料開示の規制巡り
ゲンスラー委員長は、26兆ドル(約4060兆円)規模の市場が透明性に欠け、金融安定のリスクの一因になり得ると警戒し、規制に優先的に取り組んできた。
手数料と経費の開示規則は、SECがヘッジファンドとPE投資会社に課すべく推進してきたルールの一つに過ぎない。昨年8月には一部の得意客に他の投資家より容易な現金化を認めることを禁止する規則も採択された。
ヘッジファンドとPE投資会社、手数料開示義務を強化-SEC
ニューヨークで5日に開かれた業界会議の場で、意見を求められたゲンスラー氏は「職員が検討」し、適切に対応することになろうと答えた。
ヘッジファンド業界団体マネージド・ファンズ・アソシエーション(MFA)は5日の声明で、高裁判断は「年金と財団、寄付基金を含む投資家、ファンドマネジャー、市場にとって大きな勝利だ」と歓迎した。
原題:SEC Hedge Fund Fee Disclosure Rule Struck Down by US Court (3)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Madlin Mekelburg, Rachel Graf