復活なるか?!ファイナルファンタジー14新生エオルゼア
スクウェア・エニックスによるMMORPG「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア(以降、新生FF14)」の正式サービスが8月27日にスタート。本作は、2012年11月11日にサービスを終了した「ファイナルファンタジーXIV(以降、旧FF14)」の後継にあたる作品であり、絶大な人気を誇るRPG「ファイナルファンタジー」シリーズのナンバリングタイトルです。なぜ、誰もが耳にしたことがあるほどのメジャータイトルがリスタートせざるを得なかったのか? ここで少し経緯を振り返ってみましょう。
「なぜ?」ユーザーも首をかしげる不具合が連発
そもそも旧FF14は、2002年のリリース以降、10年以上サービスが継続しているMMORPG「ファイナルファンタジーXI(以降、FF11)」をさらに上回るものになるだろうと、ファンは大きな期待を寄せていました。しかし、2010年9月30日にスタートした旧FF14は、ユーザーの期待とかけ離れたものでした。非常に高いマシンスペックを要求されるにも関わらず、移動速度の遅さやレスポンスの悪さ、美しいけれどコピーを繰り返しただけの風景、ユーザーインターフェースの使いにくさ、機能しない戦闘システム、分かりにくい世界観といった多数の問題点が浮き彫りになっていきました。 また、報告されていたにも関わらず、修正されなかったバグを利用したユーザーにはアカウント停止という重い処分が課せられたこともありました。もちろんバグの不正利用は禁止行為ですが、そもそもバグを放置した制作側こそ最も責任を問われるべきだという意見もあったほどです。さらにまずかったのは、こうした不具合や要望について運営サイドによる改善や対応が返ってくることはほとんどなく、ついにはユーザーの接続数を隠ぺいするかのような仕様すら実装してしまったことです。ここまでくると企業態度を含め、もはやゲームとして成り立っているとはいえない状況にユーザー離れが加速していったのは当然の成り行きだったのかもしれません。 この事態をやっと受け止めたスクウェア・エニックスは、異例ともいえる謝罪会見を実施。後に旧FF14の終了、および運営体制を大幅に入れ替えた「新生版」の制作が発表となりました。 一言で言うなら「全てを一から作り直した」という新生FF14。その開発費用は、旧FF14から数えると数十億規模ともいわれています。もし、これが一般的なMMORPGであれば、すぐにサービスを停止していたはず。膨大なコストをかけても、あえて「作り直し」を選んだのは、これが「ファイナルファンタジー」シリーズのナンバリングタイトルというのが理由の1つだと考えられます。これまで培ってきた歴史あるタイトルを不完全なまま終わらせれば、ブランドへのダメージは計り知れません。さらに、同じナンバリングのオンラインゲームであるFF11がサービスを継続している中、クオリティアップしたはずの新作のほうを先に終了させるのもおかしな話です。