【追悼企画連載再録】野球に興味はないが負けん気だけは……/大島康徳の負くっか魂!!
野球にまったく興味なし!
高校での投手時代の大島さん[大島家所蔵]
6月30日に亡くなられた大島康徳さんを悼み、連載から幾つかの回を抜粋し、飛び飛びにはなってしまうと思いますが、掲載していこうと思います。今回は中津工高入学後の話です。 ◎ ポジションは最初ピッチャーだったけど、内野、外野とあちこち守りました。全部我流ですよ。特にピッチャーが大変。フォームなんて誰も教えてくれないし、ボールの握り方も知らない。適当にやっていた握りが“ツーシーム”です。1年生のときは、けっこう打たれましたね。 でも、まったく気にならなかった。もっとうまくなりたいとか、そういうのはまったくありませんでした。気持ちはずっと「ハロー、グッバイ」です。要は最初と最後のあいさつだけ。毎日、練習が始まったときから「早く終わらんかな」と思ってました。 当時は野球をするのが嫌で嫌でたまらなかった。練習がきついとかじゃなくて野球にまったく興味が持てなかったからです。性格的に変なところがマジメなもので、じゃあ野球部をやめようとか、練習の手を抜こうとかは思わなかったです。何となくですが、始めたからにはやらなきゃな、とは思っていました。 それで不思議なことがあったんですよ。2年生のとき、突然「投手・大島」が覚醒です! ムチャクチャ、球が速くなったらしいんですよ。社会人に進んでいた先輩捕手が受けてくれたことがあるんですが、そのキャッチャーミットを突き破ったくらい。そのとき小林昭正監督は「よし、これで甲子園に行ける!」と言ったらしいですね。監督も捕手出身だったんで、受けてもらったんですが、衝撃的な速さだったようです。ただ・・・
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週刊ベースボール