【毎日王冠】近5年4勝の「3歳馬」が優勢 好相性のダービー組、シックスペンスに再上昇の可能性
最有力はシックスペンス
古馬勢の顔ぶれでは5歳ローシャムパークが主役だろう。大阪杯2着、宝塚記念5着と春はGⅠで善戦し、さらに成長を感じさせた。昨年のオールカマーに続く重賞3勝目は近い。 前走GⅠ組は【5-6-4-31】勝率10.9%、複勝率32.6%。ここは前走安田記念【3-4-3-14】勝率12.5%、複勝率41.7%、ダービー【2-1-0-3】勝率33.3%、複勝率50.0%が中心。ダービー9番人気以内かつ9着以内だと【2-1-0-1】。20年2番人気10着サトノインプレッサを除くと、すべて連対を果たした。同馬は毎日杯1着、NHKマイルC13着、ダービー4着と春の強行軍が響いたようだ。 シックスペンスの春はスプリングSからダービーの2戦だけ。スプリングSでは好位から上がり33.3の末脚をみせた。ダービーの内容は少々物足りなかったが、秋を迎え、再上昇する可能性にかけたい。 ローシャムパークの前走宝塚記念は【0-1-1-6】複勝率25.0%とダービーに比べると落ちる。来年からは日程が改善させるが、6月末からの約3カ月では夏休みとしては短いのか。ただそれだけではないだろう。やはり宝塚記念は芝2200mで行われる特殊なレースだからでもある。 今年は京都だったが、基本は阪神芝2200mが舞台。東京で欠かせない瞬発力よりも、持続力勝負になりやすく、11秒台前半のラップをふたつ並べるのではなく、11秒台後半を3つ4つ並べないと太刀打ちできず、宝塚記念での経験は毎日王冠につながらない。ローシャムパークも戦歴的には中山、阪神、函館に集まっている。東京もむらさき賞勝ちがあるので、決して不得手ではない。だが、重賞、それも抜群に速い時計が出る開幕週でどうなるか。 前走GⅢ組【3-3-4-35】勝率6.7%、複勝率22.2%はさすがに格が落ちるので、好走が条件になる。1着【3-1-0-8】勝率25.0%、複勝率33.3%を筆頭に4着以内は【3-2-3-14】。あっても6~9着【0-1-1-7】複勝率22.2%まで。まずは好走馬から。オフトレイル、エルトンバローズ、ヨーホーレイク、ニシノスーベニアあたりが候補になる。 さらに距離もポイントだ。同じ1800mだと【3-2-1-10】勝率18.8%、複勝率37.5%だが、それ以外は【0-1-3-25】。1800mにこだわって出走すれば、活路を見出せる。ヨーホーレイクの勝った鳴尾記念は来年から12月に移り、1800mに変わるが、今年は2000m。狙うなら、オフトレイル、エルトンバローズ、ニシノスーベニアか。 この中で前走1着は、昨年の勝ち馬エルトンバローズと同じ道をたどるオフトレイルのみ。気になるのはエルトンバローズほどの先行力はなく、位置取りの優位性がない差しタイプだということ。33秒台の末脚を問われると、どうなるか。ローシャムパークやシックスペンスを差せる絵を描けるか。ここはよく検討しよう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳