「AIコーディング」のユニコーン、Codeiumが人間とAIをつなぐ新ツールを発表
生成AIツールを用いれば、詩やアートを生成したりメールを書いたりすることが可能だが、最も有望な用途のひとつはコードを書くことだ。 マイクロソフト傘下のGithub(ギットハブ)のような企業は、オートコンプリートに似た形で人工知能(AI)がコーディングを支援するGitHub Copilotと呼ばれるコパイロット機能を提供している。また、Cognition(コグニション)やMagic(マジック)のような企業は、プロジェクトの始めから終わりまでを自動で完了するAIエージェントを専門に扱っている。 そして、評価額が12億5000万ドル(約1950億円)のAIユニコーンのCodeium(コーディウム)は11月13日、両者の利点を兼ね備えた新ツール、Windsurf Editorを発表した。同社の狙いは、人間の開発者に主導権を持たせつつ、AIによる高度な自動化を提供することだ。 コーディウムのエンジニアは、デモビデオの中で、Windsurfに楽曲のビートや変化に反応するミュージックビジュアライザーの作成を指示している。このツールは、コーディングの雑務を自動化しつつ、次の手順を提案し、エンジニアが微調整を行えるようにしている。 「当社が開発したエディタは、人間の開発者とAIアシスタントが一体となってコーディングを行えるようにするものだ」とCodeiumのCEOを務めるヴァルン・モハンはフォーブスに語った。 コーディング向けの生成AIツールは、すでに業界に大きな影響を与え始めている。グーグルのスンダー・ピチャイCEOは先月、同社の新しいコードの4分の1以上がAIによって書かれていると発表した。この市場はまだ初期段階にあるが、調査会社IDCは2029年までにAIコーディングツールの市場が40億ドル(約6257億円)に達すると予測している。 Codeiumは8月に発表したシリーズCラウンドで1億5000万ドル(約234億円)を調達し、評価額を12億5000万ドル(約1955億円)に上昇させた。このラウンドは、ゼネラルカタリストが主導し、既存出資元のクレイナーパーキンスとグリーンオークスが参加した。 しかし、Codeiumにはもちろん競合が居る。この市場の巨人は、マイクロソフト傘下のGithubで、同社のコパイロットツールは130万人以上が利用中だ。また、評価額が20億ドル(約3128億円)のCognitionは、ファウンダーズファンドとコースラベンチャーズの支援を受けており、AIエージェントのDevinを提供している。 さらに、Anysphere(エニイスフィア)が開発するAIコードエディタのCursorも投資家の注目を集めており、同社の評価額は最大25億ドル(約3910億円)に達すると報じられている。 Codeiumは、既存のコーディングとAIコーディングを融合するツールでこの新たな市場に参入し、エンジニアが両者を使い分けられるようにすることを目指している。 「例えば、AIを使いたくないような複雑なタスクがある場合は、従来通りマニュアルで作業をおこなえる。そして、必要な時にAIを活用することができる」と、コーディウムのエンタープライズ部門の責任者はフォーブスに語った。
Richard Nieva