KANA-BOON 原点の大阪で語った新作「Origin」への思い
今年はどんな年にしたい?
──そして2016年の今年は、新曲「ランアンドラン」(1月20日発売)でスタート。どんな年にしたいですか? 谷口:今年は「音楽をしっかり楽しむ」年にしたいなと。バンド活動で、自分たちのしっかりした意志でやりたいことをやって、その上で楽しんでいこうという話を4人でしたので。 小泉:その話し合いで全員が音楽をもっと楽しんでいきたいって思っていたとわかったんで、より力を合わせてちゃんと音楽を楽しんでいきたいです。 古賀:僕は楽しめてなかったわけではなくて、ステージが上がっていってやることのレベルが上がってきて楽しかったんですけど、確かにニーズに応える感じが強くなっていて、自分らしい音楽ができてないなというのはありました。そういうのを取り戻す作業をしたい。ギターで、“こういうフレーズを弾いた方がみんなは喜ぶんじゃないか”とか、そっちが優先して100%自分っていう感じでは弾けてなかったので、100%好き勝手弾くっていうのも目指します。 飯田:やっぱ、「4人で」「全員で」っていうのが一番大きいかな。一人で考えたりとかも大事ですけど、バンドやから4人で1つ。悩んだときとかも4人で考えていきたいなと。
「Origin」っていう始まりとか起源とかっていう意味が見えてきた
──そういう思いも、ニューアルバム「Origin」のタイトルにはあるのかな。 谷口:そうです。デビューしてからずっと目の前のことを一生懸命やりながら走ってきて、ずどーんと打ちのめされるタイミングもそれぞれあったと思うんですけど、弱音を吐けなかったり、本音を出せなかった。それでもファンはどんどん増えてくれるし、ファンの声を聞いて、音楽性だけじゃなくバンドとしても、“みんなが欲しがってるKANA-BOON”っていうのを僕らも理解し始めて……それでより本音が言えなくなって、僕ら自身でバンドをコントロールすることができなくなって、音楽との距離感も離れていってる気がして。動機が変わっていってしまう……というか、例えばファンのためなのか? みたいに。「楽しいからやる」っていう第一条件がかすんでいった感じで。 そんな中で、「Origin」のアルバム作りを始めて、でもなかなかこのアルバム(のテーマとか)が見えてこなくて、そういうところがストレスで、みんなで話し合いたいなと。メンバーに自分の気持ちを伝えたいしメンバーが思っていることも知りたいしって思って。 話し合った結果、音楽やバンド活動を楽しんだり、自分たちがしっかり舵をきったりしようって所に行き着いて、そこから「スタンドバイミー」っていう歌詞ができあがった。この曲がバンドのことを歌えていて、そこからアルバムのテーマやタイトル、「Origin」っていう始まりとか起源とかっていう意味が見えてきた。「あの頃の自分たちの喜びとか楽しみを取り戻そう」という今のバンドの思いがテーマになりました。