ドイツ銀行のL2ブロックチェーンは「パブリックかつパーミッションド」
銀行大手のドイツ銀行は、マター·ラボ(Matter Labs)が開発したZKsyncテクノロジーを使ってイーサリアム上にレイヤー2のロールアップネットワークを構築している。 ブルームバーグが12月18日にこのプロジェクトを報じ、マター・ラボの担当者も認めた。 このブロックチェーンは「パブリック・パーミッションドL2」になると、マター・ラボの事業開発責任者であるオマル・アザール(Omar Azhar)氏はCoinDeskに語った。 詳細について尋ねると、アザール氏はこのプロジェクトのもうひとつの参加者であるメメント・ブロックチェーン(Memento Blockchain)を紹介してくれたが、同社は今のところ、コメントの求めに応じていない。 一般的に「パブリック・パーミッションド」とは、ネットワーク上で起きていることは誰でも見ることができるが、特定のことができるのは許可された参加者だけであることを意味する。 このプロジェクトは、様々な暗号資産(仮想通貨)の価格が史上最高値を更新する中、金融機関の間でブロックチェーン技術への関心が再び高まっていることを示すものだ。 また、10年近く前に流行したプライベート・エンタープライズブロックチェーンと呼応するものである。そのようなシステムは、イーサリアムやビットコインのようなパブリックチェーンからコードを借りることはあっても、それらからは切り離されていた。 ブルームバーグの報道によると、ドイツ銀行がレイヤー2ネットワークを開発しているのは、金融におけるパブリック・ブロックチェーンにつきものの規制遵守の問題に対処するためだという。(規制を受けた金融機関は、取引相手が誰であるかを知る必要があるが、イーサリアムのメインチェーンのような完全にオープンなネットワークではそれは難しい)。 ドイツ銀行は、イーサリアム上にレイヤー2を構築することで、取引のスピードを向上させるだけでなく、こうした規制遵守のニーズにも対応できると考えている。 ZKsyncベースのロールアップにより、銀行はブロックチェーンの実験を行うことができ、どのバリデーターがブロックチェーンを実行できるかを選択できるようになると、ドイツ銀行のアジア太平洋業界応用イノベーション責任者のブン=ヒアン・チャン(Boon-Hiang Chan)氏はブルームバーグに語った。 L2ブロックチェーンはまた、規制当局に「スーパー管理者権限」を与え、資金の動きをより深く調査できるようにするかもしれない、とチャン氏は語った。 メメント・ブロックチェーンは11月6日にL2の試みを発表したが、当時はほとんど注目されなかった。このチェーンは現在、テストネットワーク環境にあり、開発者がZKsyncの技術に基づいて独自のブロックチェーンを構築できるカスタマイズ可能なツールキット「ZK Stack」を使って開発されている。 ドイツ銀行のL2は、同行が主導するマルチチェーン構想「Dama 2」の一部である。さらにDama 2は、シンガポール金融管理局(MAS)の「プロジェクト・ガーディアン」の一部であり、このプロジェクトには、ブロックチェーンを使って資産をトークン化する方法を検討している24の主要金融機関が集まっている。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:alexgo.photography / Shutterstock.com|原文:Deutsche Bank's L2 Blockchain to Be 'Public and Permissioned,' Says Tech Partner
CoinDesk Japan 編集部