あの意外な作品も…侍映画の名作10選、『SHOGUN 将軍』シーズン2を待つ間にチェック!
6.『牡丹燈籠』山本薩夫監督(’68)
「江戸時代を舞台にした多くの怪談の中でも代表作。宙に浮かぶ幽霊は恐ろしい」 不気味さを極めた古典怪談の名作の1つである本作は、侍の時代を舞台に、死者に惹かれ交流することの代償を描く。侍映画が、無類に怖ろしい側面を持ち得ることを示している。
7.『赤毛』岡本喜八監督(’69)
「明治維新の戦乱の中で裏切られ、欺かれる人々の最後の抵抗を描いた侍映画の名作」 圧倒的な存在感を持つ三船敏郎が主演を務め、真っ赤な大きなかつらを身につけた侍を演じる。政府による年貢半減を告げるために故郷へ派遣されるが、政治的権力争いの駒として利用されることになる。
8.『上意討ち 拝領妻始末』小林正樹監督(1967年)
「封建社会の不条理を描いた、ダークな時代劇を代表する真の傑作」 三船敏郎が主演を務めた本作は、寡黙な剣士が主君の不正に対し、立ち上がるさまを描いた物語。小林監督の他の代表作には、侍映画の金字塔『切腹』(’62)、壮大な3部作『人間の條件』、そして多大な影響を与えた『怪談』(’64)がある。
9.『鴛鴦歌合戦』マキノ正博監督(’39)
「今では稀少となったミュージカルコメディ時代劇の代表作」 本作は、別の映画で主演を務めていた俳優が盲腸炎で降板した際、マキノ監督がわずか2週間で作り上げたことで知られる。志村喬が、歌を披露している点も見逃せない。封建時代の厳しい世界を舞台にしながらも、傘を振り回して踊るシーンを含む、軽快なミュージカルロマンチックコメディが展開される。
10.『蜘蛛巣城』黒澤明監督(’57)
「『七人の侍』がこうしたリストでよく選ばれる傑作であることは承知しているが、黒澤作品を代表する一本としては、この『マクベス』の翻案をおすすめしたい」 完全に異なる文化的背景に移し替えられているにもかかわらず、シェイクスピアの戯曲の映画化作品として最高峰の一つと広く評価されている。三船敏郎が武将・鷲津武時を演じ、偉大な文学批評家ハロルド・ブルームも「最も成功した映画版」と称した1本だ。 ※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌