【二十四節気】12月21日「冬至」最も昼が短く夜が長い日! 運気をアップさせる“行事食”まで
本格的な冬の到来を意味する「冬至」
12月21日(土)は「二十四節気(にじゅうしせっき)」の「冬至(とうじ)」です。二十四節気とは太陽の動きに合わせて1年を24等分した暦で、古代中国にて農業を効率的に行うために作られたものです。 【画像】【二十四節気】12月21日「冬至」ってどんな日? 冬至の日は太陽の中心が冬至点を通過した日と定められているため、日にちは年によって異なり、2024年の場合は12月21日(土)です。ちなみに、地球上から見た太陽の通り道のことを「黄道(こうどう)」、黄道座標の軽度を「黄経(こうけい)」と言いますが、冬至点は春分点を0度として横径270度の点です。「至」の字には「最高に達する」という意味があり。冬至は冬の真っ最中を意味しています。
「冬至」は1年で最も昼の時間が短く、夜の時間が長くなる日
冬至といえば、北半球において1年の中で最も昼の時間が短く、夜の時間が長くなるとして知られています。12月21日(土)時点の東京の日の出時刻は6時47分、日の入り時刻は16時32分で、太陽の出ている時間は9時間49分となり圧倒的に夜の時間が短くなっています。ただ、冬至の日が最も遅く日が出て、最も早く日の入りになるのかと言えばそうではありません。2024年で最も日の出が遅い日は、1月初旬頃で6時51分、日の入りが最も早いのが11月初旬で16時28分でした。 なぜ冬至の日に最も昼の時間が短く、夜の時間が長くなるのかと言うと、この日は1年のうちで太陽の南中高度(なんちゅうこうど)が最も低くなるからです。南中とは、天体が真南に来る瞬間のことで、南中高度は南中時の角度を指しています。太陽は東の地平線から顔を出して西の地平線へと沈んでいきますが、地球の地軸が傾いているため、太陽の周りを好転するにつれて太陽の南中高度が変化します。そして、南中高度が最も低くなるのが冬至の日、最も高くなるのが夏至の日になります。
「冬至」の日には運気をアップさせる行事食を食べて
冬至の日には「陰極まりて陽生ず」「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉があり、陰陽五行思想では冬至の日には陰の気が1年で最も強くなり、この日を境に陽の気が増していくと考えます。そのため、紀元前の中国では冬至の日は太陽が生まれ変わる日として祝う習慣がありました。この太陽の生まれ変わりに乗じて運気をアップさせようとして生まれたのが行事食です。 冬至の行事食として最も有名なものはかぼちゃではないでしょうか。かぼちゃが選ばれた理由は諸説ありますが、黄色は昔より魔除けの色とされているうえ、保存が効いて栄養価の高いかぼちゃを寒い時期に食べることで風邪や感染症を予防し、無病息災を願ったと言われています。また、名前に「ん」が付く食材を食べると運気アップにつながると信じられており、別名「なんきん」の中に「ん」が2つも入っているかぼちゃが選ばれたとも言われています。 名前に「ん」が入っている食材として、なんきん(かぼちゃ)をはじめ、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)があり、これらを「冬至の七草」とも呼ぶそうです。関東地方を中心とした一部の地域では小豆を使った料理が食され、小豆を入れた「冬至粥」も行事食として定着しています。古来より、中国や日本では赤色には魔除け効果があると信じられており、中国最古の薬物書では、小豆の煮汁を解毒剤として使ったとする記述も残っているそうです。新年や節分の際、神社でおしるこが振る舞われるのも邪気払いのためです。 行事食ではありませんが、冬至と言えばゆず湯も欠かせません。冬至の日にゆず湯に入るのは、香りが強いゆずを入れてお湯につかることで、邪気を払って運気アップを狙うため。一説によれば、ゆずを入れることで「融通が効きますように」、冬至と湯治と語呂合わせしたとされています。太陽の力が弱まり、寒さも増す冬至の日。栄養たっぷりのかぼちゃを食べた後は、ゆっくりゆず湯に浸かって体をしっかり温めて体を癒してくださいね!
水浦裕美