韓国現代製鉄、米国に製鉄所建設検討…「トランプ関税」への対応で
現代(ヒョンデ)製鉄が米国に自動車用鋼板などを生産する製鉄所の建設を検討中だ。 鉄鋼業界などによると、現代製鉄は自動車用鋼板を生産する製鉄所建設を目標に米国内の複数の州政府に投資条件を打診している。現代製鉄は米国の製鉄所で生産した自動車用鋼板をジョージア州の現代自動車と起亜(キア)の工場などに供給するという構想だ。 現代自動車グループは年35万台生産するジョージア州の起亜自動車工場、年33万台生産するアラバマ州の現代自動車工場、年30万~50万台の生産を目標に完工を控えたジョージア州サバンナの現代自動車グループ・メタプラント・アメリカ(HMGMA)電気自動車工場で年間最大120万台の車を生産する予定だ。自動車業界では自動車1台当たり必要な鋼板を約1トンとみている。 現代自動車グループは昨年米国市場で170万8293台を販売しこれまでの過去最大販売記録だった165万2821台を更新した。現代自動車グループの米国販売台数順位はゼネラルモーターズ(GM)、トヨタ、フォードに次ぐ4位だ。 現代製鉄の今回の米国投資検討は第2次トランプ政権発足を控え鉄鋼関税賦課などの不確実性を解消しようとする動きとする見方もある。第1次トランプ政権時代の2018年に米国政府は韓国製鉄鋼材に対する関税賦課の代わりに輸入クオータ制を導入した。米国の州政府が海外企業を誘致するために値段が安い賃貸料と電気料金支援などを惜しまずにいる点も現地工場設立検討に重点が置かれる部分だ。 現代製鉄関係者は「世界的な保護貿易主義に対応するためにさまざまな地域を検討しており、投資と関連してまだ決まったことはない」と明らかにした。