被災地の要介護者を1.5次避難所へ運ぶ『民間救急』と『災害派遣医療チームDMAT』が救う命 悪路の長時間移動で体調崩す人も...救急救命士「手を握ったりして安心してもらえるように」
現在も多くの要介護者が避難できず危険な状況にある石川県珠洲市。金沢市にある1.5次避難所へ要介護者を搬送するため全国から派遣された『民間救急』と、災害派遣医療チーム『DMAT』の活動を取材しました。 【写真を見る】寸断されている道を走り施設へ向かう…全国から派遣された民間の救急車両
被災地では多くの要介護者が避難できておらず危険な状況にいます。1月22日午前7時、まだ薄暗い中ですが、金沢の県立病院前にはずらりと青色の車両が並びました。全国から派遣された民間の救急車両です。 緊急性は低いものの医療処置を受けながらの搬送が必要な患者を担当する民間救急。この日は、介助が必要な高齢者5人を、珠洲市の介護施設から金沢市にある1.5次避難所へ搬送します。 救急救命士の足立啓輔さん。民間の救急隊員として普段は関西で活動していますが、1月22日に被災地に派遣されました。 (救急救命士 足立啓輔さん)「被災地には物資等がないですので、金沢市などの物資等が十分にある施設、近くにあるところに移動していくことで、患者さんの負担も軽減できるかなと思います」 午前7時半、各地から派遣された民間救急車両が一斉に出発。能登半島地震では、災害派遣医療チームDMATと連携して、被災地の高齢者施設の入所者を安全な避難所に搬送しています。 通常ならば珠洲市まで2時間半ほどの道のりですが、地震によっていまだ寸断されている道や渋滞もあり、出発から約5時間半後の午後1時すぎにようやく施設に到着しました。すると… (現場の搬送担当者)「まずここで患者さんを7人収容した後に、もうひとつ行く場所がありまして…」 5人搬送の予定が急遽10人に変更。被災地の要望に臨機応変に対応するのも足立さんたちの役目です。 この施設には、他の施設から避難した人も含めて118人がいましたが、うち113人はすでにヘリやバスなどで移動しました。寝たきりなどの理由で避難できなかった要介護者を乗せて出発します。