今のF1マシンは見分けにくい? 2025年に向け、チーム間でカラーリングを調整へ「見分けやすくなることが”利益”に繋がるという認識が重要」
■ヘルメットに関する論争
マシンが見分けにくくなっているのと同様に、ドライバーを見分けるのが難しくなっているという懸念もある。 ヘルメットのデザインは、以前のように分かりやすいモノではなく、各ドライバーが細かい部分にこだわりを持つ、繊細なデザインになった。レースごとに特別ヘルメットを用意することも多く、一時は許されていなかったものの今では緩和されることになった。さらにヘイローのマシン搭載が義務付けられたことで、ドライバーのヘルメットはますます見えづらくなった。 現時点で同一チーム内でドライバーを確実に見分けるためには、オンボードカメラのマウントの塗り分けを確認する必要がある。ひとり目のドライバーは黒のカーボン地のまま、ふたり目のドライバーは蛍光イエローに塗られているのだ。 ただF1は、ドライバーをより認識しやすくするためのより良い方法がないかどうか、それを検証したいと考えているようだ。 トンバジスはこれについて、次のように語る。 「昔は、デザインがもっとシンプルだったため、ドライバーのヘルメットは今よりも目立っていた。そしておそらく、キャリアを通じて同じヘルメットを使っていた」 「今は規則が変わり、ヘルメットのデザイン変更が許された。そして様々なデザインの塗り分けが使われた。それに、ヘイローのせいでヘルメットは見えにくい」 「我々は、人々が(メルセデスのジョージ)ラッセルか(ルイス)ハミルトンか、すぐに分かるようにする方法を見つける必要がある。同時に、マシンを簡単に見分けられるようにする必要があるんだ」 しかしこれについても、厳しい規則によって強制するような形は避けたいという。 「規則に盛り込んで、色が気に入らないという理由で、スチュワードに報告したいわけではない」 そうトンバジスは言う。 「我々はそのことにあまり関与したくはない。しかしチームが、マシンが見分けやすくなることが、共通の利益であると何らかの形で認識できるような状況にしたいのだ」
Jonathan Noble