厚底+デカ底で、後半のバテを抑えるハイキングシューズ「ホカ/アナカパ 2 ミッド GTX」|これからの山道具図鑑Vol.3
大胆な機能を、体感しやすいカタチに昇華
ホカがテンナイン、テンナイン ハイクGTXで試みた機能は、大胆で行きすぎの感が強かった。 そこで、実験的な機能を現実的なモノ、つまりフツーのハイカーでもよさが体感できるモノにした。2021年発売の縦走向けトレッキングシューズのカハGTX、2022年発売の2、000m級まで対応するアナカパGTXが、それだ。 登山でも厚底が機能すると知られるようになったのは、これらのシューズからだ。 そして今回取り上げるのは2023年発売、上の写真にある「アナカパ2ミッドGTX」だ。デザインはフツーに見えるが、しかしほかにはない機能が、いろいろと盛り込まれていておもしろい。 公式HPではアナカパ2ミッドGTXの特長に、「最小限のサポートでクッション性を重視。そのクッション性はボリュームと反発性のバランスを装備」とある。 つまり極端な厚底ではないけれども、通常のトレッキングシューズよりもクッション性を感じられるものになっている、ということ。 テンナインハイクGTXの極端に出っ張ったヒールを見た後だと、かなり控えめに感じるが、実際に履いて歩いてみると、明らかにヒールの押し出しを感じられる。とはいえ、テンナインハイクにあった、登りでの引っ掛かりはほぼない。このシューズならではの足運びになれると、グイッっと推進力をもらっているように感じられるのが、いい。 また、ふたつに分かれたアウトソールのヒール形状も、左右のブレを防ぎ、直進性に効果を発揮しているように思われる。 ホカのシューズは、下りでの高い衝撃吸収性が特長でもある。 そこで砂礫のザレたトレイルを小走りで下ってみたのが、上の写真。 延長されたヒールの効果は、やはり下りの方が強く感じられる。適度な厚さのミッドソールのクッション性とともに、ヒールが延長されたことで摩擦力が高くなり、路面に対してフラットに着地できれば、強いグリップ力を発揮してくれる。 しかし、フラットではなくカカト着地をすると、延長されたヒールがやや引っ掛かり、違和感がある。だが、このシューズを選んだのなら、シューズの性能を発揮できる、フラットな着地を身に付けるしかない。