日経平均が好調、バブル最高値も“射程” それって本当?
●バブルを含むから高い数値が出た?
4.4%という数値を基に話を進めてきましたが、この収益率について「バブルを含んだ数値だから高く出ているのでは?」と思われるかもしれません。確かにバブルによって収益率が高まっているのは事実です。 そこで2004年末スタートでの収益率を計算したところ、プラス6.4%という、1979年末スタートの収益率に近い数値になりました。2008年のリーマンショックが下押しした反面、2013年以降の世界的株高が数値を押し上げた形です。もちろん、こうした収益率が今後も持続するとは限りませんが、過去のデータから判断すると、15年やそれ以上といった長期では「日本株の収益率は5%程度」とおおよその見当をつけても理に適っているかもしれません。 株式投資といえば、もっぱらキャピタルゲイン(価格変動の損益)が注目されがちです。しかしながら、配当の有無を考慮した日経平均株価をみると、株式投資において配当の存在が如何に重要であるかが分かります。特に近年では日本企業の株主還元姿勢が変化しつつあり、かつてと比べ配当の重要性が高まっています。こうした変化を踏まえると、今後は一段と「配当込み」の日経平均株価を重視すべきと考えられます。
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