ビットコインが7万1000ドル超え──その理由は3月の暴騰時とは異なる
ビットコイン(BTC)は7万ドルという重要な水準を再び上回り、3月に記録した最高値を再び試す勢いだ。この水準を上回る最近の上昇は、3カ月前に見られた上昇とは明らかに異なっている。その理由について詳しく見ていこう。
投機的ではない
しばしば価格調整の前触れとなるバブルのような市場は、レバレッジをかけた投機熱に特徴付けられる。今のところ、ビットコインやその他の暗号資産(仮想通貨)に連動する永久先物にはそのような兆候は見られない。 Coingeckoのデータによると、建玉加重平均資金調達率は引き続きゼロを上回っているものの、3月に記録した最高値よりは大幅に低い水準となっている。 言い換えれば、強気なロングポジションが優勢であり、強気派はポジションを維持するために弱気派に支払う意思がある。しかし、市場は3月よりも過熱していない。取引所は8時間ごとに資金調達率を徴収している。 投機的な熱狂がないため、7万ドルを上回る最新のブレイクアウトは3月よりも長続きする可能性がある。他の大型暗号資産の資金調達率も同じような傾向を示している。 Velo Dataのデータによると、BTCを含む大型コインの資金調達率は現在、年間10%から20%の範囲を示す緑色のゾーンで推移している。資金調達率が100%を超えると、赤のバーで示される過熱カテゴリーに該当する。 Velo Dataによると、バイナンス(Binance)、オーケーエックス(OKX)、デリビット(Deribit)などの主要な海外取引所におけるビットコインの3カ月先物ベーシス(プレミアム)は、記事執筆時点で年率換算で10%から13%の範囲にあり、3月の最高値25%を大幅に下回っている。プレミアムの上昇幅から、投機熱の高まりはないことがうかがえる。 「現在の市場ポジションを見ると、3月下旬から4月上旬のような投機熱の高まりはない」とアンバーデータ(Amberdata)のデリバティブ・ディレクター、グレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏は週次のニュースレターで述べている。 「先物ベーシスがピーク時のポジションよりも大幅に低下し、BTCの建玉の基礎的な積み上がりは比較的安定している」と、マグディーニ氏は付け加えている。