昭和の珍品おもちゃ~オスとメスを判別する不思議なペンダントを覚えていますか?
「不思議」の解明に挑戦
そこで指先で持つのではなく、鎖を机からぶら下げて固定し、その下に手のひらをかざしてみた。すると、ペンギンは微動だにしなかった。やはり"人の意識"が伝わって、それが動きとなるのだろう。目の前にいるのが男か女か、雄か雌か、分かっているなら、その意識は何となく手の先に伝わるはず。はたしてそれが正解かどうか分からないが、答えらしきものにたどり着いて、子ども心に安心した記憶がある。
たどり着いた真実とは?
歳月を経て、あらためて取扱説明書を読んで、気づいたことがある。 「日常のストレス解消にも、精神統一剤としても、家族団らんのお食事中にも試して、大笑いをしながら楽しくお過ごし下さい」 「いわく言い難い不思議な現象ですが、めんどうくさい理屈理論はさておいて、子どもさんも大人も、アクセサリー、高尚なおもちゃとしてお楽しみ下さい」 いろいろ表現を変えながら「これは玩具(おもちゃ)なのだよ」と、くり返し念を押しているのだった。 「ミステリーファインダー」の狙いは、それを試す人に対して「なぜ?」と考えさせ、楽しませることだったのかもしれない。それこそが「ミステリー」が付いた名前の由来なのか。男性とか女性とか、そういう区別とか価値観とかはなくなった平成時代、そして令和の現在。それ以前の昭和の時代には、このような何とも摩訶不思議な品も存在していたのである。それも時代の"記憶遺産"なのだろう。 【東西南北論説風(499) by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】 ※『北辻利寿のニッポン記憶遺産』 昭和、平成、令和と時代が移りゆく中で、姿を消したもの、数が少なくなったもの、形を変えたもの、でも、心に留めておきたいものを、独自の視点で「ニッポン記憶遺産」として紹介するコラムです。
CBCテレビ