仏外相、ウクライナ支援で「レッドライン」は存在しない BBC番組で発言
ローラ・クンスバーグ(「サンデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」司会者) フランスのジャン=ノエル・バロ外相は23日、BBCの番組に出演し、ウクライナ支援に関して「レッドライン(越えてはならない一線)」は存在しないと話した。フランス製の長距離ミサイルをウクライナがロシア国内に発射することについては、「自衛の論理から」可能だと述べた。 すでにウクライナがフランス製ミサイルを使ったのかは明らかにしなかった。 バロ氏は、「原則は定まっている。(中略)私たちからの(ウクライナのウォロディミル・)ゼレンスキー大統領へのメッセージは好意的に受け止められている」と、政治番組「サンデー・ウィズ・ローラ・クンズバーグ」で述べた。 フランスのエマニュエル・マクロン大統領はすでに、同国製のミサイルがロシア国内に発射されることを認める意向を示していた。それでも今回のバロ氏の発言は、アメリカとイギリスの長距離ミサイルが初めてロシア国内への攻撃で使われてから数日後に出たもので、重要といえる。 バロ氏は22日、イギリスのデイヴィッド・ラミー外相とロンドンで会談した。BBCのインタビューでは、ウクライナ支援について西側同盟諸国は制限を設けるべきではなく、「レッドラインを設定したり、表明したりすべきではない」と述べた。 フランス軍が戦闘に参加する可能性についての質問には、「私たちはいかなる選択肢も放棄しない」と返答。「必要な限り活発にウクライナを支援する。なぜか? 私たちの安全が脅かされているからだ。ロシア軍が1平方キロメートル前進するたび、脅威も1平方キロメートルずつヨーロッパに近づく」とした。 ゼレンスキー氏が求めているウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟については、「招待する可能性がある。我々の友好国や同盟国、そしてウクライナの友好国や同盟国を、話し合いで私たちの立場に近づける努力をしている」と述べた。 バロ氏はまた、西側諸国が防衛支出を増やす必要があると示唆。「当然ながら、より多くのことをしようと思えば、より多く支出しなければならない。そうした新たな挑戦に、私たちは直面しなければならないと思う」とした。 ウクライナ情勢はここ1週間で大幅に深刻化している。米英の長距離ミサイルが初めてロシア国内への攻撃で発射されたのに加え、ロシアも新型ミサイルを発射し、ウラジーミル・プーチン大統領が世界戦争の可能性を示唆した。 英政府筋の1人は、冬の到来と、ドナルド・トランプ前米大統領のホワイトハウス復帰を前に、ウクライナ情勢は重要な時期を迎えているとしている。 英政府内外では、西側諸国が資金と武器の両方で支援を維持することが重要だという声や、プーチン氏の脅迫的な言葉に「あわててはいけない」といった意見が聞かれる。 (英語記事 No 'red lines' in Ukraine support, French foreign minister tells BBC)
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