スリムボディの配膳ロボット「ケティボットプロ」発売。自動走行の精度を向上
猫型配膳ロボット「ベラボット」の弟的存在
2024年8月28日、Pudu Robotics Japanは配膳・マーケティングロボットの「ケティボットプロ(KettyBot Pro)」を日本で発表、同月末に販売代理店であるUSEN(U-NEXT HOLDINGS)をとおしての販売が開始された。 【写真】配膳ロボット「ケティボットプロ」をもっと見る ファミリーレストランをはじめとする外食店で、ロボットが注文品を配膳する姿を見たことはないだろうか。メーカーもモデルの数もいくつかあるが、近年すかいらーくグループの外食チェーンで多く導入されて知名度も高まっているのが、猫型配膳ロボットのベラボット(BellaBot)だ。ディスプレイに映された表情豊かな猫顔、語尾に「にゃん」をつけるなど愛されやすいキャラクターが話題となっていた。 ベラボットを開発したのは中国・深センのロボティクス企業「プードウ・ロボティクス(Pudu Robotics)」で、このほかにも清掃や配送、運搬など役割ごとにさまざまなロボットを開発し、世界各国へ向けてすでに8万台が出荷されているという。 またプードウがラインナップする配膳ロボットは従来、ベラボットとその弟分にあたるケティボットのふたつだけだったが、2024年7月に性能向上や大型ディスプレイを採用したベラボットプロを追加。そして今回、ケティボットプロ(KettyBot Pro)を発表して4モデル展開とした。 導入にあたってはマッピングやマーカーの設置など店舗によって仕様が異なることもあって、1台あたりの販売価格は公表されていないが、高価な順に並べると「ベラボットプロ→ベラボット→ケティボットプロ→ケティボット」となるようだ。 そもそもケティボットは、ベラボットよりも全長/全幅を各10cmほどスリムにしたボディを持ち、最小通過幅は55cmと、狭くて複雑な店内環境をスムーズに行き来できるように設計されている。そのうえで縦40cm×横24cmの大型ディスプレイを前面に配置してキャンペーン案内や行き先案内、広告などを表示し、配膳だけでなくマーケティングや誘導もできるモデルだ。 このコンパクトロボットのボディサイズやディプレイサイズなどはそのままに、機能を進化させたのがケティボットプロだ。 大きな変更点は自動走行の精度を高めるカメラの採用だ。従来から障害物を検知する標準視野角レンズのカメラがふたつ搭載されていたが、ケティボットプロでは標準視野角レンズのカメラと超広角レンズのカメラを組み合わせることで物体検知能力、回避能力を向上。最小走行幅が3cm狭くなり52cmとなったことで、より狭い通路を通り抜けられるようになった。 また配膳トレイの上に魚眼カメラを配置して商品や料理を検知できる機能を追加。お客が受け取ったことを自動で検知すると、ひとの操作なしに次の業務へと移行する。このほかにもバッテリー容量の拡大、ピュアブラックのボディカラーを追加、表情やアナウンス音声の変更機能といった新機能を盛り込んでいる。 日本導入目標は2024年内に1000台としているが、すでに知名度のあるブランドであること、より安価であること、飲食業界だけでなく小売店やホテルなどへの導入も考えると達成は難しくないだろう。 【主要諸元 プードウ ケティボットプロ】 ・ボディサイズ:435×450×1120mm ・本体重量:38kg ・積載重量:30kg(10kg×3段) ・稼働時間:11時間[8時間] ・充電時間:3.5時間[4.5時間] ・最大移動速度:1.2m/秒 ・最小通過幅:52cm[55cm] ・マッピング方法:マーカー&レーザー ・前面ディスプレイサイズ:18.5インチ [ ]内はケティボット