人口減でも「マンション家賃10%上昇」のなぜ…首都圏だけでなく大阪市、福岡市などで家賃高騰
2015年の国勢調査でも発表されるのは2017年頃になる。この2年経過した状況を住民基本台帳で把握すれば、予測期間は3年に縮まる。また、5年に1回のデータと毎年のデータでは5倍精度を上げることができる。予測は「当たれば官軍、外せば賊軍」なので、どんな手を使っても当てなければデータ提供先に迷惑がかかる。 稼働率が上昇している中で、新築の住宅着工は増やさないと、私たちは解体直前だった数十年の汚れと以前住んでいた人の独特の臭いがしみついた古い家に住むか、今よりも高い家賃の家に住むはめになる。私は今のニーズに合った新築をたくさん建てたほうがいいと考え、デベロッパーやハウスメーカーに供給過剰を心配するくらいたくさん建てることを推奨している。
■家賃の高騰は今後も続くか 2013年に始まった異次元な金融緩和は不動産や株などの資産はインフレさせたが、目標だった消費者物価指数の2%上昇は起きなかった。賃金上昇もない中、実質賃金は緩やかに下がり続けた。そんな中で、マンション価格はほぼ2倍になり、家賃まで大幅上昇を始めている。 今起こっている家賃の高騰は需給が緩まない限り、収まることはない。供給過剰になるには建築費の高騰が逆風となってかなり難しい。需要の減少は若者の実家離れと外国人の流入がこれまで以上にある状況では望み薄である。
こんな状況において、賃貸はコストが増えているだけでキャッシュフローは悪化でしかない。一方、持ち家を購入すれば家賃並みの支払いが増額する心配もなく、資産をインフレさせることができる。現状の価格水準は高いが、今後も資産インフレが見込める状況では下がり始めるタイミングで売ることも視野に入れておけば、家賃以上の出費になることは避けられる。
沖 有人 :不動産コンサルタント